2010/12/31

その魚、本当に氷見のブリですか?

今年最後の投稿も食品偽装の問題について。前回前々回と同様の話題を取り上げましたので、「もういいよ」と言われそうですが。

氷見ぶり一部『偽装疑い』 築地市場が対策要望 出荷の業者は否定」 2010年12月30日 CHUNICHI Web

肉、米と来て、魚にも偽装の疑いです。どんなブランド食品にニセモノはつきものということでしょうか。ブランド力の低下を招かないためにもブランドホルダーの毅然とした対応が必要ではないかと思います。


さて、冒頭に述べたとおり、これが今年最後の投稿です。今年は2月にウェブサイトを公開、その後ブログやツイッターを開始、12月には新しい職場への移籍と、自分にしては新しいチャレンジの多い年でした。今後も積極的に新しいことに挑戦していきたいものです。

本ブログをお読み頂きありがとうございました。皆様よいお年を。
来年もよろしくお願いいたします。

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2010/12/25

その米、本当にコシヒカリですか?

前回の投稿でブランド牛肉の偽装問題について触れたばかりですが(「その肉、本当に松阪牛ですか?」)、こんどはブランド米について。

新潟県産コシヒカリ 8/50が“ニセモノ”」 2010年12月23日 Sponichi Annex ニュース

上記記事で、新潟県が各地で同県産コシヒカリとして販売されている米のDNA検査を行い、その結果を発表したということを知り、同県のウェブサイトもチェックしてみました。

新潟県産コシヒカリの平成22年度第3回DNA検査結果について」 2010年12月22日 新潟県HP
 
検査対象の50点中8点にコシヒカリ以外が含まれていたということにも驚いたのですが、新潟県がこのような調査を定期的に行っている(今回は今年度第三回目の調査)ということにも感心しました。米に限らず、ブランド農林水産物を抱えている自治体は積極的にこういった活動をするべきではないかと思います。もちろん、調査をするだけでなく、必要であればその後の法的措置等も積極的に行うべきでしょうね。上記スポニチの記事によれば新潟県知事は「刑事告発も視野に入れて対応したい」と語ったとのこと。今後の経過が注目されます。

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2010/12/17

その肉、本当に松阪牛ですか?

お歳暮の季節ですね。ブランド牛肉を贈った、贈られたという方も多いでしょうが、そのお肉大丈夫ですか。こんなニュースがありました。

九州産を『松阪牛』と偽装 井筒屋の肉店、倍の値で販売」 2010年12月16日 asahi.com

デパートにテナントとして入っていた精肉店が松阪牛と偽って九州産の牛肉を販売したというもの。偽装した張本人はテナントである精肉店なのに、デパートの名前ばかりが前面に出てしまい少々気の毒ですね。確かにデパートのテナント契約の場合、単なる建物の賃貸借と違ってテナントに対して介入できる権限が大きいのが普通だとは思いますが、だからと言ってテナントの偽装行為まで防止できるかというとなかなか難しいのではないでしょうか。

ところで「松阪牛」は地域団体商標として登録されています。すなわち、今回の件は商標権侵害を構成する可能性も高いわけです。牛肉を購入したお客さんへは代金を返却するそうですが、商標権者が賠償請求してきた場合の対応も考えておかなければならないかも。以前の投稿(「偽装表示をしてでも売上げを伸ばしたい方へ」) でも書きましたが、やはり偽装の代償は大きいと言わざるを得ないようです。

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2010/12/12

ニセモノ購入を疑似体験?

今年も政府が模倣品・海賊版撲滅キャンぺーンを始めました。特設サイトができていますので興味のある方はご訪問ください。

さて、そのサイトにはコピー商品を購入することで起きうるさまざまな被害がウェブ上で疑似体験できるというコンテンツが用意されています。私も早速やってみました。作った方には申し訳ないのですが、結論から言うと消費者への啓蒙効果には疑問ありという感じです。途中で選択肢があるので全てのパターンを体験したわけではないのですが、少なくとも私の見たパターンは映像効果ばかり凝っていて伝わってくる情報があまりありませんでした(でも、話のネタにはなると思うので是非試してみてください)。

私がサイト製作者なら、「ニセモノを買ってしまい嫌な目にあった」というストーリーを商品の種類ごとに示しますね。例えば次のような感じで。

1.ファッション製品

有名ブランドのバッグを買って職場に持って行ったら、ブランド物に詳しい同僚にニセモノと指摘されて恥をかいた。

2.食料品

ブランド食品を買ったら全然おいしくなかった。それを友人に話したら「本物がそんな値段で買えるわけないだろ」と笑われた。

3.医薬品

バイアグラをネット通販で買った。飲んでみたら体調が悪くなり、入院するはめになった。その後、全くの偽薬と分かった。

4.電化製品

純正品と称するインクカートリッジを買った。プリンタにセットして使ってみたら文字がかすれ、そのうちプリンタが壊れた。メーカーに文句を言ったら、偽造カートリッジと分かった。

5.玩具

有名外国ブランドの玩具を子供に買い与えた。子供が遊んでいるうちに舐めるなどし、そのうち体調を崩した。表面に真正品には絶対含まれていないはずの有害物質が塗布されていた。

こんな風にニセモノをつかまされた際の害悪を具体的に示した方が、効果的なんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

なお、私がこんな苦言を呈するのは、こうしたキャンペーンの重要性を強く認識し、是非続けて欲しいと思っているからです。「仕分け」の対象になってしまったら大変ですからね。もっとも、来年は政権が代わってしまい、「仕分け」制度自体が「廃止」の判定を受けているかもしれませんが・・・。

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2010/12/06

移籍しました

私事で恐縮ですが12月1日から所属事務所が変わりました。ただでさえ年末で忙しいのに、移籍に伴う諸手続き等に時間を取られ、ブログを更新する時間がなかなか取れません。新しい職場に慣れるまではこんな状態が続きそうですが、たまに思い出して覗いていただければ幸いです。

2010/11/11

ハトでも戦わなければならない時はある

以前、店名に関するラーメン店間の訴訟のニュースを取り上げましたが、今度はバス会社間の訴訟のニュースを見つけました。

「『はとバス』使わないで」 はとバスが「別府はとバス」を提訴  2010.11.9 産経ニュース

観光名所をめぐるツアーで有名な「はとバス」(東京都)が、大分県別府市でバス事業を展開する「別府はとバス」に対し、名称使用の差し止め等を求めて東京地裁に訴えを提起したとのことです。

主たる事業エリアが東京と別府で離れていたために今まであまり問題視されていなかったものが、情報化が進んだ結果、混同を生じかねない状態に至ったということでしょうか。原告(東京の「はとバス」)の代理人も「インターネットの普及で、検索されると同じ会社と混同される懸念が高まっていて、消費者保護の観点から望ましくない」と主張しているようです。「はとバス」に限らず、似たような名称の商品やサービスを異なる地域で異なる事業者が提供している例は多いでしょうから、今後同様の紛争が増えるかもしれませんね。

ところで、両「はとバス」は訴訟に先立ち1年以上も交渉を重ねてきたものの不調に終わったのだそうです。平和の象徴「はと」も争わなければならない時があるということですね。興味深い事案なので今後の経過を見守りたいと思います。

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2010/11/02

再び、偽装表示をしてでも売上げを伸ばしたい方へ

以前、本ブログに「偽装表示をしてでも売上げを伸ばしたい方へ」と題して投稿し、偽装表示を行うことのリスクは今後も高まっていくだろうと述べました。やはりその予想は間違っていないようです。農水省が「JAS法に基づく指示・公表の指針の運用改善等について」というプレスリリースを行っていますが、違反に対してより厳しく対処していく姿勢が示されています。

例えば、JAS法に基づく表示違反については:
  1. 「指示・公表」を基本とする
  2. 常習性がなく過失による一時的なものであり、かつ、直ちに改善方策を講じている場合には「指導」とする
  3. しかし、事実と異なる表示があった旨を、社告、webサイトの掲示、店舗等内の告知等の方法を的確に選択し、速やかに情報提供していないと「改善方策」を講じたとはみなさない
 ということのようです。

ということは、JAS法に基づく表示違反が見つかった場合、悪質でない違反であっても、自ら告知するか行政により公表されるかの差こそあれ、いずれにせよ外部に広く知られてしまうということですよね。消費者の目が厳しい昨今、これはかなりのサンクションになり得るのではないでしょうか(上記3.に該当するかどうかの判断にかなり裁量の余地が残りそうではありますが)。

新運用指針は平成23年1月1日から適用開始だそうです。食品業界の皆様、お気をつけ下さい。

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2010/10/29

並行輸入で一儲けしようという方へ

前にも書きましたが本ブログはアクセス解析を行っています。それによると並行輸入について調べているうちに本ブログに来られる方が少なからずいらっしゃるようです。円高なので個人輸入で一儲けとしようかという人も多いのかもしれません。

個人的には、東京大学の玉井克哉教授の論説等を読むうちに並行輸入は政策的に規制すべきなのではないかという見解を持つようになっているのですが、現時点では判例で認められている以上、致し方ないですね。同教授の論説はこちら(注:PDFファイル)で入手可能ですので興味のある方はどうぞ。

いずれにせよ並行輸入に挑戦するなら各種知的財産を侵害してしまうリスクをしっかり認識した方がよいでしょう。本ブログの過去記事(「並行輸入のリスク -高すぎる授業料-」 等)もご参考になさって頂ければと思います。

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2010/10/25

紀信ならシノヤマ、丹波ならササヤマ

兵庫県に篠山(ササヤマ)市という市があります。同市では、市名を「丹波篠山市」に変えた方がよいのではないかという意見が出ているそうです。なんでも、観光や農産物などの地域ブランドに使われて知名度の高い「丹波篠山」を市名にした方が全国にアピールできるのではないかとの考えとか。

篠山か丹波篠山か、それが問題だ…市名で悩む」 2010年10月25日 YOMIURI ONLINE
 
同じような悩みを持つ自治体は他にもあるようで、少し前には秋田県の仙北(センボク)市が知名度不足に悩んでいるとの記事を見たことがあります。田沢湖町や角館町等が合併してできた仙北市ですが、田沢湖や角館に比べて「仙北」の知名度が低いために観光PRでは「田沢湖・角館」の名称を使うのだそうです。

今や自治体もマーケティング的な観点を考慮して名称を選択しなければならない時代なのかもしれませんね。

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2010/10/18

ニセモノといえば中国・・・とは限らない

最近忙しかったので更新がおろそかになっていました。ブログランキングがこれ以上下がるのも嫌なので短めの記事を一本。こんなニュースがありました。

米人気カバン『中国製』が本物 『米国製』タグで偽物発覚」  2010年10月17日 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

中国における偽造品製造が問題になって久しいため、ニセモノといえば中国製といった印象を持たれる方も多いのかもしれませんが、当然そんなことはありません。次の表を見て頂けると分かるように摘発されている偽ブランド品には国内製造のものも数多く含まれていますし、中国以外から輸入されているものも多いのです。商品を仕入れる際には十分ご注意下さい。

(警察庁公表の「平成22年上半期における主な生活経済事犯の検挙状況について」より引用)

もっとも、上記記事の『米国製』タグ製品に関して言えば、中国から輸入していたわけですから結局は偽『米国製』タグが付いた中国製っていうことですよね・・・、たぶん。

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2010/10/08

ウソの書類で裁判所をだまそうと考えている人へ

3年以上使用されていない登録商標は誰でも登録の取消を請求できます。この請求に対抗しようとして使用の事実を偽装した会社社長らが逮捕されたというニュースがありました。

特許庁にウソの納品書で商標存続を偽装 会社社長ら逮捕 初摘発」 2010.10.6 MSN産経ニュース

せっかく手に入れた商標権の消滅を防ぎたい気持ちは分からないでもありませんが、虚偽書類の提出はマズイですよね。

今回、特許庁はだまされて取消不可の審決を出してしまったようですが、その後、相手方当事者の努力もあったのでしょう、裁判所は提出された書類の信用性を否定し、特許庁の審決を取り消しています(判決文のPDF)。①当該書類が示すような取引が本当に行われているならば存在するはずの関連書類を商標権者が提出しないこと、②当該書類に当時使われていない電話番号が記載されていること等から信用性を否定したようです。上記判決文16頁の下から4行目以降がその部分ですので興味があれば読んでみて下さい。

特許庁、裁判所、そして相手方代理人(弁護士や弁理士)と関係する多数のプロの目を欺くのは並大抵のことではありません。嘘の書類で有利な審決・判決を得ようなどとは考えない方がよいと思います。

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2010/09/29

偽装表示をしてでも売上げを伸ばしたい方へ

株式会社東京商工リサーチが「 『コンプライアンス違反倒産(食品偽装)』状況調査」というレポートを発表しています。これによれば、近年、産地偽装や消費期限の改ざん等の食品偽装が原因で倒産にまで至るケースが目立っているとのこと。同レポートも指摘しているように食品偽装に対する消費者の目が厳しくなっているということなのでしょう。

個人的には偽装表示を行うことによるリスクは今後ますます高まっていくと考えます。消費者の目が厳しくなることもさることながら、行政や競業者が法的アクションを起こす例が多くなると思われるからです。

例えば、先日、消費者庁が公表した景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要(→こちらからPDFで入手可)を見ても、国や自治体が偽装(不当)表示について積極的にアクションを取りつつあることが見て取れます(ちなみに、ほとんどが食品に関する事例のようです)。

また、弁護士の増加により法的サービスへのアクセスがしやすくなってきていますから、例えば不正競争防止法2条1項13号(原産地等誤認惹起行為)などを根拠に虚偽の商品表示をしているライバル業者を訴える企業も多くなるのではないでしょうか。各地で登録が進んでいる地域団体商標も産地偽装に対抗する強力な武器となりそうです。

法的・道徳的にはもちろんですが、経営的観点からも偽装表示は賢い選択ではなさそうですね。

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2010/09/24

泣く子とインターネット事業者には勝てぬ?

動画共有サイトYouTubeが十分な著作権保護措置をとっていないとして、スペインのテレビ局が違法コンテンツの削除などを求めていた訴訟で、マドリードの裁判所はテレビ局側の訴えを退けたそうです。サービス利用者による知的財産権侵害行為を防止するネットサービス事業者の義務については、限定的にとらえるのが世界的な傾向のようですね。


『YouTubeに違法コンテンツの責任はない』、スペインの裁判所が判断」 2010/09/24 ITpro


このような傾向を受けたものでしょうか。楽天株式会社のニュースリリースによれば、高級ブランド、ルイ・ヴィトンと楽天株式会社は楽天オークションにおける偽造品流通撲滅対策について覚書を締結するに至ったそうです。


楽天、ルイ・ヴィトンと偽造品撲滅対策で覚書を締結」  2010/09/24  日経プレスリリース


ちなみにルイ・ヴィトンは昨年12月ににヤフー・ジャパンとも同様の覚書を締結しています。


ヤフー・ジャパンとルイ・ヴィトンが偽造品撲滅対策での協働を合意」  2009/12/04  ヤフー株式会社


もはや知的財産権を保有する企業は、ネットサービス事業者とは対立せず、むしろ協力し合った方が得策なのだということなのかもしれません。


私もインターネットのサービスを享受している一人として、ネット事業者側の義務をある程度限定的に捉えることに異論はないのですが、上記スペインの裁判の記事中にあるGoogle側の主張:

・・・YouTubeには毎分24時間分の動画が投稿されており、もしすべての動画や写真、テキストを投稿前に検閲することが義務づけられれば、YouTubeだけでなく、FacebookやTwitter、MySpace.comといったサイトは、すべてサービス停止に追い込まれる・・・

などを読むと、何やら既成事実を作ってしまった者が開き直っている感じがして、釈然としない気持ちも残ります。皆さんはいかがですか。

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2010/09/15

食べログが提訴された件について思う

数日前の話になってしまうのですが、インターネットのグルメサイト「食べログ」が提訴されたというニュースがありました。

食べログ記事削除求め カカクコムを提訴」 2010年09月10日 asahi.com 

掲載された店舗情報が更新されず、現状とは違う内容を無断掲載されたのは営業妨害だとして、飲食店経営者が、同サイトを運営するカカクコムに対して、記事の削除などを求めて提訴したものです。

以前の投稿(「ネットオークション:運営者側の偽造品対策に思う」)でも少し触れたのですが、ネット上のサービスというのは、必要な作業の多くを利用者自身に行わせ、運営者は基本的にシステムを提供するのみであることが多いですよね。運営者にしてみれば「それこそがネットを使った事業のうまみなのであり、いちいち利用者の利用態様(本件では飲食店に関する投稿内容等)に問題がないか詳しくチェックする義務を負わされては事業が成り立たない」ということになるのでしょう。一方で、問題のある投稿等が放置されることで困る人たちが出てくるというのも容易に想像できるところです。両者の利益を考慮したバランスのとれたルールが必要と思われます。

そのようなルールが確立するためには、今のところ本件のような裁判によって判例が蓄積していくのを待つより他にありません。スピードが重視されるインターネットの世界なのですから、立法によって早期に明確なルールを策定するべきではないかと個人的には思うのですが、皆さんはどう思われますか。

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2010/09/08

マジコン業者、いよいよ窮地に?

本ブログでも度々取り上げている改造ゲーム機の問題(「『おまけ』を付けたばっかりに・・・」、「Wiiに続いてPSPも」、 「引き続き改造ゲーム機の摘発に関して」)ですが、文化庁長官の諮問機関である文化審議会の著作権分科会法制問題小委員会が、規制の強化に向けて検討を開始したようです。色々なメディアが取り上げていますが、私がネットで見つけた中では次の記事が比較的詳しく報じているようですので、興味のある方はご一読下さい。

『マジコン』の規制強化目指し著作権法改正へ――文化審」 2010年9月7日 PC Online

この問題に関する車の両輪ともいえる著作権法と不正競争防止法の双方を改正していかなければならないので、不正競争防止法の担当官庁である経済産業省との調整も必要になってくるようです。知財立国を標榜する日本なのですから縦割り行政に陥らずに早期の対応をお願いしたいものですね。せっかく弁理士が首相をやっているのですから、官邸にも積極的に調整してほしいと思います。もっとも、その前に首相が代わる可能性もかなりあるわけですが・・・。

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2010/09/06

ネット上の偽ブランド品・海賊版に益々注意が必要

警察庁が「平成22年上半期における主な生活経済事犯の検挙状況について」という資料を発表しています(こちらでPDF版を入手可能)。いわゆる偽ブランド品や海賊版の事件も「知的財産権侵害事犯」として、ここに記載されています。

同資料によれば、知的財産権侵害事犯の検挙事件数は214 事件(+38 事件、+21.6%)、検挙人員は298 人(-26 人、-8.0%) と、前年同期比で事件数は増加し、人員は減少しており、これはインターネット利用の単独犯の検挙が増加したことによるものと考えられるそうです。

下記グラフは同資料から引用したものです。これを見ても、偽造品の販売においてインターネットの果たす役割の大きさがよく分かります。

権利者側としては、インターネット上での権利侵害に注意を払うことが益々重要になっているものと思います。

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2010/09/03

税関の努力を逆手に取る人たち

毎日新聞(大阪)に「空港物語」というシリーズ記事があります。空港で働く様々な職業の人々を描くもののようですが、9月2日付の記事では税関の知的財産調査官が取り上げられていました。

空港物語:/39 知的財産調査官 /大阪」 2010年9月2日 毎日新聞

我が国への知的財産権侵害物品の流入を水際で防ぐために、税関職員の方々が努力されている様子がよく分かります。

ところで、偽ブランド品を扱う業者に警告を行うと、時々、こんな税関職員の方々の努力を逆手に取ったような主張をする者がいます。よくある彼らの言い分はこうです。

「偽造品は税関でチェックされているんだろう!うちの商品はちゃんと通関して日本に入ってきたんだぞ。ニセモノのはずがないじゃないか!」

もちろん、こちらは相応の根拠があって警告しているわけで、そんな反論に対して「なるほど、そうですね。」などと言うわけがありません。

そもそも知的財産侵害物品に関する税関での検査は全ての輸入貨物を対象に行われるわけではありません(そんなことをしていたら時間と人員がいくらあっても足りません)。また、上記記事にもあるように、怪しいと思われる貨物があっても権利者から申立がなされていない商品であれば検査しないこともあります。更に、検査されたとしても税関職員が完全に知的財産権侵害物品を排除できるわけではありません。税関職員とて商品に関するあらゆる情報を提供されているわけではないからです。したがって、商品が無事に通関したとしても、そのこと自体は真正品であることの証明には全くならないのです。

というわけで、もし偽造品業者の方が本ブログを読んでいるならば、弁護士から警告を受けた場合、上記のような言い訳はなるべくやめて頂きたいと思います。双方にとって時間の無駄になる可能性が高いと思いますので。

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2010/09/02

豚骨ラーメン激戦区:「元祖」が「元祖」を訴え、元祖が静観?

弁護士業界も最近は競争が激しくなってきているのですが、こんな記事を読むとまだまだ他の業界ほどではないなと思います。

「元祖長浜」の争い法廷に、豚骨ラーメン激戦区に火花 2010.09.02 zakzak

記事が今ひとつ分かりにくいのですが、私の理解では次のような事案のようです。
  1. 老舗人気店「元祖長浜屋」(以下、「訴外元祖」といいます)で20年以上勤めた元従業員が2009年12月に「元祖ラーメン長浜家」(以下、「原告元祖」といいます)を開業 
  2. 訴外元祖及び原告元祖で働いていた別の元従業員が今年4月、原告元祖の店から約100メートル離れた場所に「元祖ラーメン長浜家」(以下、「被告元祖」といいます)を開業 
  3. 被告元祖を原告元祖と誤解して客が流れたために売上げが著しく減少したとして、原告元祖が被告元祖に対して不正競争防止法違反を理由に訴え提起
記事には書いていないので私の推測ですが、原告元祖の主張する「不正競争防止法違反」とは同法1条1項2号違反と思われます。ざっくり言えば「他人の営業を表示するものとしてお客さんの間に広く認識されている表示と同一又は類似の表示を掲げて営業することにより当該他人の営業と自分の営業の間に混同を生じさせてはいけない」という規定です。

根拠条文に関するこの推測が正しいとすれば、原告元祖が勝訴するためには、まず「元祖ラーメン長浜家」という表示が自己の営業を示すものとしてお客さん達の間に広く認識されていることを立証しなければなりません。しかし、この事実の立証はなかなか難しいのではないかと他人事ながら少し心配です。というのは、記事からすると、この地域における本当の意味での「元祖」なのかもしれない訴外元祖が別に存在するからです。もしかしたら、原告元祖の使っている「元祖ラーメン長浜家」の表示は原告元祖の営業を示すものとして広く認識されていないばかりか、むしろ訴外元祖の営業表示であると認識されている可能性も大いにあるのではないでしょうか。もしそうなら、原告元祖は勝訴できないばかりか、そもそも自らが他人の営業表示を使用しているのだと公の場で指摘されることになりかねません。

いずれにせよ非常に興味深い事案です。続報を待ちたいと思います。

追記:以上はzakzakの記事を読んだ限りでの単なる感想であり、当該訴訟における当事者の有利不利について論ずるつもりは全くありませんので念のためお断りしておきます。そもそも有利不利を論ずるにはzakzakの記事に記載の情報だけでは全く足りません。その意味でも事案の詳細について続報が待たれるところです。(2010年9月3日追記)

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2010/08/27

中国の「政策転換」に思う

先日、経済産業省が「第7回知的財産保護官民合同訪中代表団(ハイレベル)派遣の結果概要について」という資料を発表しました。これによれば、平成22年8月17日(火)から19日(木)までに行われた官民合同訪中団の派遣に際して、中国政府機関に対して模倣業者の再犯行為、インターネット上での知財侵害、知財に関する司法保護の強化等について建議を行ったところ、中国側から前向きな対応を行う旨の回答を得たそうです。

これについては日刊工業新聞もフォローしており、28日から北京で開かれる日中ハイレベル経済対話でも、直嶋正行経産相から取り組みの強化を申し入れる旨が報じられています。

経産省、中国の政策転換周知-知財保護で協力」 2010年08月27日 日刊工業新聞

知財の実効化に向けた中国の変化は歓迎すべきであり、中国側から前向きな回答を得るために努力された経産省その他関係者の方々の努力には敬意を表したいと思います。

ただ、中国はWTO加盟国であり、TRIPS協定を遵守しなければならない立場です。「知財制度を実効的なものとするのはそもそも当然の国際的義務なんじゃないの?」と、思ってしまうのは私だけでしょうか。

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2010/08/24

ネットオークション:運営者側の偽造品対策に思う

Yahoo! Japanの競売サイト「ヤフーオークション」(以下、「ヤフオク」)で同じ出品者の商品につき偽物だとの苦情が7月以降百数十件も寄せらているそうです。

ヤフオク届いたら『偽物』 同じ出品者、苦情100件超」 2010年8月18日 asahi.com 

ヤフオクに限らずネット上のサービスは必要な作業の多くを利用者自身に行わせ、運営者は基本的にシステムを提供するのみであることが多いようです。そのような運営が可能であるところにインターネットを使った事業のうまみがあるのですから、当然のことかもしれません。ただ、それにしても苦情が百数十件にも至る前に運営者側からアクションが起こせなかったのかという気はします。

もちろん運営者側も偽造品を始めとする違法商品に手をこまねいているわけではなく、例えばヤフオクでは「Yahoo!オークション 知的財産権保護プログラム」という制度を用意し、知的財産権侵害品を排除しようとしています。

しかし、これも権利者側からの申告を待って問題ある出品者を排除するという基本的に受動的なものです。インターネット事業の特性が前述のようなものであることは理解しているつもりですが、ネットオークションにおいては運営者側がもう少し能動的に関与してくれれば、もっと効果的に侵害品が抑制できるのではないかと思います。例えば、購入者からの苦情が一定数(又は一定割合)に達した場合にはオークション運営者から権利者(商標権者等の知的財産権保有者)に対して当該出品者の情報(ID等)を通知するといったように、運営者の側から権利者に対して対応を促すシステムがあってもよいように思います。その程度ならある程度自動化して人手を掛けずに対応することができそうな気もするのですが、難しいんでしょうかね。

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2010/08/17

ワカメとウナギの次は?

先日、ワカメの産地偽装について投稿したばかりですが、今度はウナギの輸入元を偽装したという事件が報道されています。

ヨーカ堂、中国ウナギ輸入元改ざん・転売の疑い」 2010年8月17日 読売新聞

輸入元の偽装というと何となく産地の偽装よりはマシのような印象を与えますが、必ずしもそうではありません。商品に問題があった際の責任の所在を不明にしてしまう行為であり、厳しく糾弾されるべきことに変わりはないと思います(ちなみに製造物責任法では、製造者・加工者とともに輸入者もまた「製造業者」として製造物の欠陥によって生じた損害につき責任を負うこととされています。農林水産物も加工されていれば「製造物」として同法が適用されると解されているところ、上記記事のウナギは蒲焼きにされているようなので適用対象になる考えてよいでしょう。)。徹底した捜査によって背景をきちんと解明してほしいものです。

ところで、私は酢の物が好きで、ワカメとウナギといえばこんな料理が思い浮かびます。今後、キュウリにまで偽装事件が発生しないことを祈るばかりです(笑)。

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2010/08/13

ブラジルの人聞こえますか~

以前の投稿で、本ブログについてアクセス解析をやっていると書きました。日本語で書いたブログなので当然国内からのアクセスがほとんどなのですが、海外からのアクセスもちらほら見かけます。最近なぜかブラジルからのアクセスが何度か続き、どんな人が地球の裏側からこんなブログを見ているのだろうと思って楽しくなりました(もちろんアクセス解析ではユーザーを特定することはできません。念のため。)。

ブラジルの方、もしよろしければコメントを残して頂けると幸いです。

そういえば「ブラジルの人聞こえますか~」というギャグがあったなと思いつつ、そのキーワードでGoogle検索してみたらこんな記事を見つけました。ブラジルの人も日本に対して同じように思っているようです。面白いですね。

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2010/08/11

たまには自社の商標をググってみよう

先日、Googleは欧州における「AdWords」の商標ポリシーを変更し、広告主が他社商標を検索キーワードとして購入することを可能にしました(「AdWords」の仕組みがよく分からない方は、まずこちらをご覧下さい。)。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/08/05/021/index.html


ご承知の方も多いと思いますが、GoogleはこのAdWordsに関して商標権侵害であるとの訴訟を起こされていました。すなわち、特定の商標を検索キーワードとする検索結果画面において当該商標の権利者以外に広告表示を行わせるのは商標権侵害であると主張されていたのです。そして、フランスの裁判所はかかる主張を容れてGoogleの商標権侵害を認める判断をしていました。そのような経緯もあって、GoogleはヨーロッパではAdWordsの運用において厳格なポリシーを適用し、広告主が他社の商標を検索キーワードとして購入できないようにしていたのです(上記引用記事にもあるように日本やアメリカでは以前から他社の商標を検索キーワードとして購入可能)。

ところが、上記引用記事にあるように、今年の3月に欧州司法裁判所(=EU法についての最高裁のようなもの)が、「Googleが商標を保有者以外の企業に販売することは商標侵害ではない」とする判断を行ったため、今回のポリシー変更に至ったわけです。

実は他社の商標をキーワードとする検索連動広告は、偽造品販売業者等にもしばしば用いられるところであり、Googleに対して訴訟を起こしていたルイ・ヴィトンもその点を指摘していました。この点、上記欧州司法裁判所の判決も、広告は消費者の混乱を招かないようなものであるべきとしており、商標権者側に一定の配慮をしています。上記引用記事中でGoogleが「自社商標が他社に選択されたことで消費者が混乱していると感じた場合は苦情申し立てを受け付ける」としているのは、この点を考慮したものでしょう。なお、前述のとおり、日本ではもともと他社商標を検索キーワードとして購入することが可能です。時折、自社保有商標について検索エンジンにかけてみて変な広告と連動していないかチェックすることも必要ではないかと思います。

ところで余談ですが、弁護士も他の有名法律事務所の名前を検索キーワードにして検索連動広告を打てば効果的なのではないかと思いまして、試しにいわゆる四大法律事務所の名前をGoogleで検索してみました。しかし、少なくとも本日の時点では、これらをキーワードとした広告は行われていないようです。やはりこの業界はそこまで競争が進んでいないのかな・・・と思ったのですが、ふと思い返してテレビCMで有名ないくつかの法律事務所の名前で検索したところ、やっぱり広告してました。しかも各事務所相互に広告を打ち合っているようです。さすがだなと思いました。

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2010/08/09

ホンモノの漫画でニセモノ退治

世界知的所有権機関(WIPO)の日本事務所が面白い試みを行っています。「ホンモノ」漫画コンテストと称して、模倣品対策のための啓蒙漫画を作成する漫画家を募集するとのこと。詳細は以下のサイトをご覧下さい。

http://www.wipo.int/about-wipo/ja/offices/japan/outreach/manga/

優勝者によって制作される漫画作品は少なくとも6カ国語(英語、仏語、中国語含む)以上に翻訳され、世界中に無償で配布されるそうです。世界デビューできるチャンスになりますから、プロの漫画家にとっても応募する価値のあるコンテストになるのではないでしょうか。

個人的には、弁護士、弁護士に雇われた調査員(主人公)、偽造品業者、偽造品業者のバックにいるマフィア等々が登場するハードボイルドなストーリーを、寺沢武一先生のような絵で描いてあったら読んでみたいなと思うのですがいかがでしょうか。もっとも、それだと「ニセモノ(模倣品)の粗悪な品質、あるいは、ニセモノの健康、安全に関する懸念とともに、本物の持つ素晴らしさについてふれた啓蒙漫画」を作ろうというコンテストの趣旨とはちょっと方向性の違う作品になりそうですね。

いずれにせよ「ホンモノ」の漫画というにふさわしいクオリティーの高い作品を期待したいところです。楽しみに待ちたいと思います。

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2010/08/03

ふえる"偽装"わかめちゃん

 先月、「ふえるわかめちゃん」で有名な理研ビタミンは、国内産わかめ(鳴門わかめ)として製造している商品が中国産だった可能性が高いとして、該当商品の自主回収措置をとると発表しました。

『ふえるわかめ』:950万パック回収 中国産の可能性で」 2010年7月23日 毎日新聞
 
 理研ビタミンとしても故意に中国産を使用したわけではないでしょうが、仕入のチェック体制が甘くなかったか十分な検証が必要となるでしょう。この点は製造業に限らず多くの企業において他山の石とすべき問題と思います。
 私は偽ブランド商品(主に商標権侵害品)を販売した小売店に警告書を送ることがよくありますが、故意にニセモノを販売したのでないとしても、仕入の段階で商品の信頼性について十分な確認を行っていない店が非常に目立ちます。多くの店では「真正品である」という仕入先の説明をうのみにし、商品の来歴を示す取引書類さえ確認していないのです。ブランド、産地、その他一定の規格を満たしていることを前提にして商品や原材料を仕入れている企業は、この機会にチェック体制が機能しているか確認してみてはいかがでしょうか。

 さて、この偽装わかめの事件で困ったのは理研ビタミンだけではありません。鳴門わかめに関わる方々は相次ぐ産地偽装とそれに伴うブランドの信頼性失墜に頭を痛めています。鳴門市内のワカメ加工業者などでつくる「鳴門わかめブランド対策部会」は臨時総会で「法律に違反した場合は自主廃業するという誓約書を提出させる」等、厳しい再発防止策を決めたようです。

鳴門わかめ 偽装防止向け誓約書提出へ」 2010年07月30日 asahi.com

 この事件で感じたのは、いわゆる地域ブランドには多くの関係者が存在するため、そのうちの一部の者がブランドを濫用し、他の関係者に損害(ブランドの毀損等)を与えてしまう危険も高いのだということです。今回のような産地偽装は論外ですが、例えば、一定の材料と方法で作られることを前提とした郷土料理を地域ブランドとして売り出した場合に、一部の業者が皆で決めたレシピを守らないでトラブルになるといったことも十分あり得るでしょう。地域団体商標制度の導入以来、多くの地域ブランドが地域団体商標としての登録にも成功していますが、そのようなトラブルが生じる可能性も考慮して関連規定(使用基準、違反に対する制裁等)を整備しておくべきではないかと思いました。  

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2010/07/28

Yahoo! JapanとGoogle提携の余波

テレビ等でもさかんに報道されていましたので既にご承知でしょうが、Yahoo!JapanがGoogleの検索技術を導入するそうです。「米国Yahoo!はマイクロソフトと提携しているはずなのにJapanはそうしないの?」とか、「日本でのGoogleの検索サービスのシェアが支配的になってしまい独禁法の問題が生じるのでは?」とか、色々な意味で興味が湧くニュースですね。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/07/27/073/index.html


でも個人的に一番気になっているのは自分のサイトの評価がどう動くのかということです。今日現在、「偽造品」+「弁護士」のキーワードでYahoo!Japanで検索すると本ブログの本体である「偽造品対策情報室」が検索結果の最上位に来ます(まあ、そんなキーワードで検索する人自体多くないでしょうが)。一方、Googleだと7番目前後になってしまいます。今後、Yahoo!での検索結果もGoogleのそれと同程度に落ちてしまうのだろうと思うと少々残念です。

もっとも、マイクロソフトのBingで検索すると今でも検索結果の1頁目にさえ来ませんので、Bingを採用されるよりは良かったのかもしれません(笑)。

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2010/07/27

JAPANブランド育成支援事業

 「JAPANブランド育成支援事業」として経済産業省が中小企業海外展開支援事業費補助金の公募を行っています。詳細は下記のページをご覧下さい。

http://www.tohoku.meti.go.jp/s_cyusyo/chiikisigen/topics/100726japanbrand_kobo.html
http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/chiiki/2010/100726ChushoJB_Koubo.htm

 この事業は「地域の中小企業等が一丸となって地域の優れた素材や技術等を活かし、地域の産品の魅力をさらに高め、世界に通用するブランド力を確立していこうとする取組みに対して総合的な支援を行うもの」だそうです。今年度から中小企業者の4者以上のグループ等についても、公募対象として追加されているそうなので、意欲ある地域中小企業の皆様は声を掛け合って手を挙げてみてはいかがでしょうか。

 様々な地域ブランドが世界的に有名になって外貨を稼いでくれれば日本経済にとって非常に喜ばしいことですね。中国という巨大市場が近くにあるわけですし、Yahoo!Japanとタオバオの提携のように進出のための環境も次第に整ってきていますから、関係者の皆様には頑張って頂きたいものです。そしてニセモノが出るほど有名になったら是非その対策についてご相談頂きたいと思います(笑)。

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2010/07/26

山形のサクランボと山梨のサクランボを見分けられますか?

「ブランド品」という言葉を聞いてまず思い浮かぶのはやはりファッション関連商品かと思いますが、今や農林水産物にも「ブランド」がたくさんありますよね。マグロといえば大間のマグロ、米といえば魚沼産コシヒカリ、そしてサクランボといえば山形の佐藤錦ということになるのでしょうか。そんな高級サクランボにニセモノが現れるのを防ぐため、強力な武器が導入されたようです。ちょっと前の話になりますが、テュフ ラインランド ジャパンという会社がこんなプレスリリースを出していました。

テュフ ラインランド ジャパン、地域のブランド農産物を検査・認証するサービスを開始」 2010/06/30 日本経済新聞電子版(プレスリリース)

記事によると、同社が開始したサービスでは農林水産物、食品中の水素、炭素、窒素、硫黄など軽元素の安定同位対比を分析する手法を採用しており、従来の食品化学分析やDNA分析では解析が困難だった原産地や生産履歴を明らかにすることが可能になるとのこと。そしてこのサービス導入の国内第1号が山形のサクランボであるということです。「これまでにヨーロッパ市場を中心に農林水産物の検査・認証をしてきた実績」があるとのことであり、何やら非常に頼もしい印象です。

ただ弁護士としては、具体的にどの程度の確度で「本物」と「ニセモノ」を識別できるのか、そしてそれが裁判での証拠としてどの程度使えるものなのかが詳しく知りたいところです。はたして青森県や山梨県の似たような土壌で栽培されたサクランボを「ニセモノ」と判断できるのか、あるいは「本物」が生産されたのと同一農場内の多少土壌が異なる場所で育ったサクランボを「本物」と判断できるか等々、興味は尽きません(ちなみに、Wikipediaの記載によると山形県・青森県・山梨県で国内産サクランボの9割近くを生産しているとのこと)。プレスリリースだけではよく分かりませんので、今後、折を見て調べておこうと思います。

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2010/07/23

著作権侵害を防ぐべきは誰なのか

以前の投稿で、YouTubeへの違法投稿で中学生が逮捕されたという記事について触れましたが、その少年が保護観察処分になったそうです。

家裁、中3少年を保護観察処分 ユーチューブに違法投稿」 2010/07/22 共同通信

行為の悪質性や社会への影響を考えれば一定の処分は必要でしょうが、他に目立った非行事実もないとのことですので、保護観察処分は妥当なところなのだろうと思います。著作権法違反での中学生の逮捕というセンセーショナルな事件だっただけに、好奇の目にさらされることも今後少なくないでしょうが、負けることなく立派に更生してほしいものです。

ところで、この事件で逮捕という手段がとられたことにつき行き過ぎだったのではないかという意見も一部にはあるようです。

『漫画を無断公開』14歳逮捕に賛否…やむなし、一時保護でも」 2010年6月17日 読売新聞

確かに逮捕がもたらすその後の成育への悪影響の危険を考慮したとき、少年に対して逮捕の手段を選択するには慎重であることが必要でしょう。しかしながら、事案の重大性によっては毅然として強い手段をとるべき場合もあるはずです。今回の事案で逮捕が妥当だったか否かについては詳細な事実関係が不明なので断言しかねますが、少なくとも「中学生」による「著作権法違反」という事実のみをもって逮捕を避けるべきであるとは思いません。仮にそのような事実のみで一律に逮捕を避けるべきというのであれば、著作権法違反という犯罪をあまりに軽く捉えるものではないかと考えます。

もちろん、逮捕・立件するだけが子供たちの犯罪を抑止する手段ではないでしょう。そもそも子供たちが違法行為を行わないように、知的財産権の侵害が重大な犯罪になり得ることをきちんと教えることが必要でしょうし、子供でも手軽に著作物の複製・公開ができてしまうインターネットサービスの現状についても改善を検討すべきなのかもしれません。下記のとおり、今日も中高生の著作権法違反が報道されています。一朝一夕に解決できるものではないでしょうが、いずれにせよ我々大人が何とかしていかなければならない問題だと思います。

著作権法違反:ネットで人気曲違法配信 容疑で中、高生を書類送検--県警 /香川」 2010年7月22日 毎日新聞

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2010/07/16

告知:ミウラタカノリ木版画展

本ブログの趣旨とは全く関係ないのですが、ちょうど友人が展覧会をやっているので告知させて下さい。

 ミウラタカノリ木版画展

 会期:7月12日(月)から21日(水)

 時間:12時~20時(平日)

      12時~18時(土曜・祝日)

       但し、日曜は休業。また、最終日は17時まで。

 場所:ギャラリー愚怜  http://www5.ocn.ne.jp/~gray


興味のある方は是非。「12日からやっているのに、なぜ今日になって告知するんだ」と、かえって怒られそうですが・・・。

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2010/07/15

タコは野球の勝敗も占えるか

ようやくW杯が終わりましたね。このブログもしばらくW杯ネタで引っ張ってきましたが、もう一回だけ引っ張らせて下さい。最後は例のタコに絡めて。

占いタコ『パウル君』W杯8戦全勝で勇退」 2010.7.13 SANSPO.COM

ドイツの水族館でW杯の勝敗予想を行っていた(行わされていた)タコのパウル君ですが、結局、予想を行った8試合全ての結果を的中させました。一躍、世界的に有名となったパウル君には高額で「移籍」のオファーまであったとか。便乗しようとタコの訓練を始めた水族館もあるかもしれません。

ところで、私はニセモノ対策の中でもどちらかというと海外系のブランドを依頼者とする仕事が多いのですが、今後は国内ブランド、特に最近話題の地域ブランドについても是非扱ってみたいと思っています。というわけで、地域ブランドに関するニュースを注意して見ていたところ、泉州沖で取れるマダコ「泉だこ」が特許庁の地域団体商標に登録されたというニュースを見つけました。

泉だこ タコでは全国初の地域ブランド登録」 2010.6.14 asahi.com

今後、「泉だこ」ブランドを浸透させるために、パウル君人気に便乗してみるのはどうでしょうか。泉だこを訓練して阪神タイガースの試合の予想をさせるとか。パウル君に対しては中日ドラゴンズのマスコットであるドアラが対抗心を燃やしている(注:ドアラはナゴヤドームでの試合での7回にバック転宙返りに成功すれば中日の勝利、失敗すれば敗戦、という占いを行う)そうなので、もし泉だこが占いを始めたら、ナゴヤドームでの阪神・中日戦が一番盛り上がるのではないかと思います(笑)。

占い元祖はボク!ドアラが“打倒タコ”を猛アピール…中日」 2010.7.13 スポーツ報知


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2010/07/10

そろそろW杯も閉幕ですが

サッカーのワールドカップも決勝進出チームが決まり、閉幕が近づいてきましたね。もともと熱心なサッカーファンではないので日本代表が破れてからはそれほど関心を持って見ていないのですが、ネット上で「パラグアイ戦」などという文字を見るとつい目が行きます。こんな記事がありました。

パラグアイ戦を勝ちきれなかった日本の“実力”」  2010年7月6日 日経ビジネスオンライン

日本代表の戦いに関する数値データを分析した記事ですが、客観的な数字で説明されると説得力が増す好例のように思います。興味のある方は是非ご一読を。会員登録しないと全文は読めないようですが、無料ですし日経ビジネスオンラインは興味深い記事が多いので登録しておいてもよいのではないかと思います。

ところで、データ分析と言えばこのブログ及び本体であるウェブサイト「偽造品対策情報室」はアクセス解析ができるようになっています。お陰様でブログへのアクセスはそこそこあるのですが本体の方へのアクセスがやや減少傾向です。あまり更新もしていないので当然といえば当然なのですが。ブログを訪問して頂いたついでに本体の方も覗いてみて頂ければ幸いです(笑)。






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2010/07/04

「讃岐うどんなう」のあなた、それ本場ものですか?

香川県内の製めん所やうどん店などでつくる「本場さぬきうどん協同組合」が、「本場さぬきうどん」の名称入りのロゴマークの商標登録を特許庁に申請したそうです。地域ブランドを守るための意欲的な試みですね。無事に登録に至るか注目したいと思います。

ブランド維持へ『本場さぬきうどん』の商標申請」 2010/07/02  SHIKOKU NEWS

ところで、このニュースがフジテレビ系で毎週月〜金の午前8時から放送されているワイドショー「とくダネ!」でも取り上げられたらしく、その放送の様子が以下の記事に書かれていました。

香川県で食べないと『本場もの』じゃないの?さぬきうどん」 2010/7/2  J-CASTテレビウォッチ

タイトルからも分かるように上記記事の執筆者は、「本場」か否かを「県外」か「県内」かで分けるところに違和感を感じている様子。私は上記「とくダネ!」の放送を見ていないので何とも言えないのですが、上記記事を読む限り、放送でも同様の違和感を出演者らが述べていたのでしょう。

しかし、そもそも商標を誰に使用許諾するかは商標権者の自由なわけですから、上記「本場さぬきうどん」のロゴマークが無事商標登録されたあかつきには、商標権者である本場さぬきうどん協同組合が組合員にしか当該商標の使用を認めなくても一向に構わないわけです(というか商標権を取得する以上そうする方が自然でしょう)。その線引きの基準を批判するのは少々お門違いのような気がします。もちろん一協同組合にこのような商標を独占させるのが適当かという問題はあるでしょうが、その点は商標の登録要件を通じて特許庁が適切に判断してくれるはずですし(=要件を満たさないと判断すれば登録を認めない)、その特許庁の判断が誤っていると考える者にはそれを争うための法的手続も用意されています。個人的には、冒頭で述べたとおり、意欲的な試みであって批判には当たらないと思いました。とはいえ、ニュースを流すにあたって商標の制度についてまで詳しく解説してくれるわけではないので、上記記事に書かれたような違和感(あるいは反感)を覚えた人も結構多いのかもしれません。広報というものの難しさを感じさせられた記事でした。

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2010/06/30

パラグアイ戦の視聴率

皆さんはW杯の日本対パラグアイ戦をご覧になりましたか。本当に残念でしたね。普段はサッカーを見ない私ですが、ずっとハラハラしながらテレビを見ていました。私のようなにわかサッカーファンが多かったせいもあってかTBSは歴代最高視聴率を記録したようです。

日本戦64・9%!TBS歴代最高視聴率」 2010年6月30日 nikkansports.com

この高視聴率の一方で涙を飲んだのがフジテレビです。民放各局によるW杯放送権抽選会が行われた際、フジテレビは1次リーグの日本戦選択権を得たテレビ朝日、日本テレビに次いで3番くじを引きましたが、あえて決勝T1回戦を回避し、G組ブラジル-ポルトガル戦の放送権を選択しました。ところがご承知のとおり、日本代表が決勝トーナメント進出を果たしたため、この決勝T1回戦が今回の日本対パラグアイ戦になりました。フジテレビは高視聴率の試合を選択できるチャンスがありながらそれを活かせなかったわけです。

痛恨フジ社長…パラグアイ戦放送権放棄」 2010年6月26日 nikkansports.com

頑張った日本代表には失礼かもしれませんが、記事の中のフジテレビ社長の言葉にもあるように、当時の状況からすると「賢明な選択」だったといえるのでしょう。ハイリスク・ハイリターンの勝負を避けて、手堅い道を選ぶというのはビジネスにおいてはむしろ当然かもしれません。

訴訟においても上記のような判断を迫られることがあります。例えば、原告として損害賠償請求訴訟を起こした場合を想像してみて下さい。当事者双方の主張立証もあらかた終わったけれど、裁判所の心証が今ひとつはっきりしないという状況だとします。勝訴判決をもらえば3000万円位取れるが、どちらかと言えば敗訴となって1円も取れない可能性が大きい。一方、判決を待たずに訴訟上の和解をすれば相手方は1000万円を払うと言っている。と、こんな状況であれば、可能性の低い勝訴判決に賭けず、確実に1000万円取れる和解の道を選ぶのが合理的な場合が多いでしょう。

もちろん、上記は判断の一例であって一概には言えません。例えば、依頼人によっては金銭の多寡よりも判決をもらって事実を明らかにすることこそ重要であると考える場合もあるでしょう。いずれにせよ代理人である弁護士が状況を正確に分析し、それを依頼人に分かりやすく説明して、依頼人がその真意に沿った選択をできるようにしなければなりません。私もそのような場面で常に適切なアドバイスができるよう日々精進したいと思います。

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2010/06/25

デンマーク戦の前にオランダの件を片づけておく

さあ、W杯はいよいよ日本対デンマーク戦ですね。今日は日本全体が寝不足の人だらけになるでしょう。

さて、W杯と言えば前回の投稿でとりあげたオランダのビール会社によるW杯会場でのアンブッシュ・マーケティングの件(=W杯の公式スポンサーではないオランダのビール会社がW杯会場で宣伝活動を行ったとして関係者が逮捕・起訴された)ですが、FIFAとビール会社の間で和解が成立したようです。

FIFAと蘭ビール会社、W杯ミニスカート観戦問題で和解」 2010年06月23日 AFPBB News 

当事者間の和解を受けて南アの検察当局が起訴を取下げたため、起訴された女性2名も無事帰国可能になったようです。穏当な解決ではないかと思います。

ところでこの事件に関しては、上記女性らが「商標法」違反で逮捕・起訴されたとしている報道も多かったのですが、これに違和感を感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。女性らはお揃いの派手なオレンジ色のコスチューム(ビール会社のロゴがごく小さく表示されてはいたようですが)を着て大挙W杯の試合会場に乗り込みはしたものの、別にFIFAが保有している商標を勝手に使ったわけではありません。少なくとも日本の商標法の感覚では、FIFAの保有する商標を使っていない以上、FIFAに対する「商標権」侵害にはなりませんし、よって「商標法」違反による逮捕・起訴も考えにくいのです。そこでインターネットで検索してみたところ、Gardianの記事に次のような記述がありました。

「Placed on South Africa's statute book in 2006 was something called the 2010 Fifa World Cup South Africa Special Measures Act. The women in orange are accused of contravening two sections of this law, namely the parts that prohibit "unauthorised commercial activities inside an exclusion zone" and "enter[ing] into a designated area while in unauthorised possession of a commercial object".」(2006年、FIFAワールドカップ南アフリカ大会特別措置法と呼ばれる法律が南アフリカの法規集に加わった。オレンジ色の女性達はこの法律の二つのセクションに違反した責任を問われたのだ。すなわち、『禁止区域内における無許可の商業活動』と『広告物を許可無く占有した状態での指定地域への立ち入り』を禁じている部分である。)
World Cup 2010: Fans, robbers and a marketing stunt face justice, Fifa style」 2010年6月20日 guardian.co.uk 

というわけで、一般的な商標法ではなくて、W杯のために作られた特別法を根拠に逮捕・起訴されたようです。今やFIFAは一国の法律を変えさせる力もあるということでしょうか。前回の投稿で書いたように、世界的イベントを招致しようと思ったら主催団体に対してこのぐらい協力的姿勢を見せなければならないのかもしれませんね。賛否の分かれるところでしょうが、皆さんはどう思われますか。

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2010/06/21

美女とビールとワールドカップ

日本代表の善戦でW杯が盛り上がってきましたね。私も日本対オランダ戦の中継の時はテレビの前に釘付けでした。

ところで、オランダ戦の中継中に自民党のCMが入ったのに気づかれましたでしょうか。谷垣総裁が登場し、「今のあなたと同じように、私も日本のことを熱く思っています。」と視聴者に語りかけていました(→こちらでご覧になれます)。もちろんW杯に便乗しようとするものですが、セリフも気が利いていて個人的には好感が持てました。

しかし、便乗も度が過ぎると色々と問題を生じます。南アフリカのW杯試合会場では、国際サッカー連盟(FIFA)の公式スポンサーではないオランダのビール会社の宣伝パフォーマンスを観客席で行った疑いで、オランダ人女性2人が一時、南ア当局に拘束される事件が起きました。

オランダ、FIFAに激怒=ビール宣伝めぐり女性拘束」 2010/06/17 時事ドットコム

無制限にこのような便乗行為を許していては大金を払って公式スポンサーになる企業がいなくなってしまいますので、FIFAが神経質になるのも無理はないでしょう。身柄拘束まで必要であったのかは議論のあるところでしょうが、現地の法規に違反していることは間違いなさそうですし、ビール会社側のやり過ぎではないでしょうか。ちなみに、日本で同様の行為が行われた場合でも、(実際に警察がそこまでやるかは別にして)理論上は建造物侵入罪を適用できそうな事案のように思います。

このように公式スポンサーにならないで行う便乗行為をアンブッシュマーケティングと呼ぶそうで、オリンピックやワールドカップなどの大規模イベントにおいては、今や普通に見られる手法となっています。もっとも、多くの企業は、上記ビール会社のように違法又は違法ギリギリで行うのではなく、もっとスマートな形を取っているようです(参考:「今や恒例、オリンピックのゲリラ広告(上)」 2008年6月5日 日経ビジネスオンライン/「今や恒例、オリンピックのゲリラ広告(下)」 2008年6月26日 同)。

便乗広告もイベントの盛り上げに一役買っている気がしますので、あまりガチガチに法的規制を行うのはいかがなものかと思いますが、一方で大規模イベントの財政的な成功を図る見地からは度の過ぎた行為を効果的に取り締まる法規も必要な気がします。今後、オリンピックやワールドカップを招致したい国は、開催が決定した場合の公約としてアンブッシュ・マーケティング規制法の制定を掲げてみるのもよいかもしれませんね。

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2010/06/18

イグサを知っていますか

イグサという植物をご存知でしょうか。畳表やゴザがこの植物の茎で作られているといえばお分かりになるかと思います。日本では主に熊本県で生産されているそうです。そんなイグサに関連して次のようなニュースがありました。

違法輸入阻止要請へ」 2010年06月16日 asahi.com

熊本県が開発・品種登録して「育成者権」を有している「ひのみどり」という品種のイグサが中国で大量に栽培され、日本へ違法に輸入されているため、国内生産者らが熊本県など関係機関に水際の取り締まり強化を要請する予定であるというニュースです。

「育成者権」というとこれまた一般にはなじみの薄い言葉ですが、種苗法という法律により植物新品種の登録者に認められる一種の知的財産権です。この権利を保有している者の許可無くして当該植物の生産・譲渡等をすることはできません(詳しく知りたい方はこちらから農水省作成のパンフレットをダウンロード可能です)。

税関における輸入差止申立が行われている商品は数々ありますが(参考:輸入差止申立の現況)、今のところ育成者権を根拠に申立が行われているのは上記「ひのみどり」だけです。最終的にはDNA鑑定で侵害品か否かを確定できますが、大量に輸入される商品の中からDNA鑑定に回す貨物(=あやしい貨物)を見つけ出すのは、結局、税関職員の知識と経験が頼りですので、担当職員の方々のご苦労は大変なもののようです(参考:税関職員の体験談(PDF))。

今後、日中間の貿易は植物に関しても拡大していくでしょうから、育成者権に基づく輸入差止申立を行うべき場面も多くなっていくのではないかと思います。「ひのみどり」は今後の育成者権に基づく輸入差止申立の有用性を測る試金石ともいえると思いますので、関係機関の皆様には是非頑張って頂きたいものです。
 
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2010/06/17

ある日突然、子供のせいで億単位の債務を負うことになったら

あなたに中学生の息子がいるとします。その息子がある日突然、億単位の債務を背負うことが想像できますか。また、あなたも一緒に責任を負わなければならないと言われたらどうしますか。ちょっと想像しにくい事態ですが、全くあり得ない話でもないようです。こんなニュースがありました。

中3悪質投稿 被害20億円!『You Tube』初摘発」 2010年6月15日 スポーツ報知

中学生が違法コピーした人気マンガをYou Tubeに投稿し、著作権法違反で逮捕されたという事件です。記事中の損害額「20億円」はあくまでも閲覧回数(800万回以上)にマンガ雑誌の価格(250円前後)を掛けた額でしかありません。単純に閲覧回数と同じだけ正規のマンガの売上が落ちるということは考えにくいですし、売上減少額=利益減少額=損害額とも言い切れないので、実際にはここまでの損害額にはならないでしょう。かといって実際の損害額が大した額ではないかというとそうでもない気がします。別のソース(社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会のHP)によると、雑誌「少年ジャンプ」からは「銀魂」「NARUTO-ナルト-」「ONE PIECE-ワンピース-」の人気3作品が無断投稿されているようです。人気の3作品を読んでしまったら、残りのマンガを読むために改めてジャンプを買う人がどれだけいるでしょうか。また、改めてこれらの作品の単行本を買う気になるでしょうか。そう考えると、この違法投稿によって落ちた売上額は思いの外大きいかもしれません。800万回という途方もない閲覧回数に鑑みれば、「億」に達する損害額もあながち非現実的ではないように思えてきます。

You Tubeをはじめとするインターネットサービスはうまく使えば生活を豊かにしてくれる素晴らしいものですが、子供でさえも他人に億単位の損害を生じさせることができる凶器でもあるということだと思います。監督状況によっては子供の違法行為について保護者が責任を負うべき事態も十分考えられますので、子供にインターネットを使わせている方は十分に注意すべきでしょう。あなたのお子さんは大丈夫ですか?

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2010/06/14

都道府県警の連携に期待する

少し前に、京都府警ハイテク犯罪対策室が、全国から捜査員を一時的に受け入れ、捜査手法を伝授する「捜査留学」を始めるとのニュースがありました。

ネット犯罪捜査法、他府県に伝授 府警ハイテク対策室が受け入れへ」 2010年06月04日 京都新聞

都道府県警の垣根を越えた素晴らしい試みですが、早くも成果が出始めているようです。京都府警、岡山県警、佐賀県警の合同捜査班が、ファイル共有ソフトを悪用してアニメ動画をネット上に流出させた男を摘発したとのニュースがありました。

著作権法違反:新型ソフト悪用で逮捕 アニメ流出容疑--3府県警 /京都」2010年6月11日 毎日新聞

きょうの協:府警がネット犯罪で『捜査留学』 根絶へノウハウ伝授 /京都」2010年6月13日 毎日新聞

このような素晴らしい試みが行われている背景の一つには、京都府警ハイテク犯罪対策室所属の木村公也警部が「警察庁指定広域技能指導官」に選ばれたことがあるようです。警察庁指定広域技能指導官制度は、警察内部において卓越した専門的な技能・知識を有する職員を、指導・教養及び支援を目的として都道府県警察の枠組みにとらわれずに広域的に活用するために警察庁長官が指定する制度だそうです(参考:警察庁による通達(PDF))。

以前見たニュース(ネット上からは既に消えていますので、残念ながらURLはご紹介できません)によれば、今年度の警察庁指定広域技能指導官には偽ブランド品摘発の第一人者も選ばれているようです。この制度が益々活用されることで、様々な分野での捜査スキルが警察全体で共有され、犯罪検挙率が向上することを期待したいですね。

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2010/06/13

再び、コンバース訴訟について

以前の投稿で紹介したコンバース事件の控訴審判決ですが、ようやく判決文が裁判所のHPに掲載されました(→こちらから全文をPDFファイルで入手可)。まだ、ざっとしか読んでいませんが目についたのは次の箇所。少し長くなりますが、引用します。
ア 内外権利者の実質的同一性の要否について
(ア) 外国において,我が国の登録商標と同一又は類似する商標を付した商品が拡布された場合に,これを輸入する行為は,形式的には,我が国における商標権を侵害することになるが,外国において商品に商標を付した者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があるときは,実質的な違法性を欠くものとして,我が国の商標権者の有する商標権を侵害しないものといえる。
(イ) この点について,被告は,「出所表示機能が害されるかどうかの観点からすれば,登録商標権者が外国拡布者から商標権を取得する以前より,それと同一又は類似の外国拡布者の商標が世界的に著名であり,登録商標権者が使用する商標により需要者が識別している出所が登録商標権者でなく外国拡布者である場合,登録商標が示す出所は,我が国における登録商標権者ではなく,むしろ外国拡布者であると解すべきであるから,『法律的又は経済的に同一人と同視し得るような関係』があることを要件とすることなく,我が国の商標権者の有する商標権を侵害しないと解すべきである」と主張する。
 しかし,被告の上記主張は,以下のとおり採用できない。すなわち,商標権の効力により,商標の独占的な使用が認められるのは,我が国における登録商標権者に対してであり,商標法により保護される出所は,我が国における登録商標権者である。仮に,本件のように商標権が譲渡されたような場合に,需要者が,商標を付した商品の出所について,譲受人であるとの認識を有していないような状況があったとしても,それは事実上のものにすぎず,そのような状況から,譲渡人による商標の使用が当然に容認されるものではない。したがって,譲渡人と譲受人との間の「法律的又は経済的に同一人と同視し得るような関係」があることを要件とすることなく,当該商標について譲渡人の出所が保護の対象とされるべきであるとする被告の主張は,その主張自体失当である。同主張を前提とする被告のその他の主張も,それ自体失当である。
(裁判所HP掲載のPDFファイルにおける43頁~44頁)

本件は米国コンバース社製であるというコンバース・シューズを日本に輸入した業者(被告)が、日本におけるコンバース商標の商標権者(伊藤忠)から商標権侵害で訴えられた事案です。被告は、適法な並行輸入であるから商標権を侵害しないと主張しました。判例上、適法な並行輸入と認められるためには、上記引用判決文の(ア)部分に書いてあるように、外国において商品に商標を付した者(=本件では米国コンバース社)と我が国の商標権者(=本件では伊藤忠)とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係(内外権利者の実質的同一性)があることが必要とされています。しかし、被告は本件のような場合は、そもそも内外権利者の実質的同一性は必要ないと主張しました。

すなわち、もともとコンバース商標の商標権は日本においても米国においても米国コンバース社が保有していました。それが米国コンバース社の倒産等を経て、日本のコンバース商標は伊藤忠が保有し、米国のコンバース商標は米国コンバース社(厳密には倒産後の新米国コンバース社であり、倒産前の旧米国コンバース社とは別会社)が保有するに至りました。このような経緯があるため、被告は、コンバース商標はもともと米国コンバース社の商標として著名であり、需用者も製品の出所を米国コンバース社と認識するのだから、内外権利者の実質的同一性を欠いていても(商標の出所表示機能を害しないため)商標権を侵害するとはいえないと主張したのです(上記引用判決文の(イ)部分前段参照)。

しかし、上記判決文記載のとおり、裁判所はこの理論を採用しませんでした。内外権利者の実質的同一性の要件は本件においても必要であるとした上、本件では内外権利者の実質的同一性は満たされていないと認定し、被告による並行輸入の抗弁を排斥したのです。そして、一審同様、被告(控訴人)敗訴ということになりました。

私は内外権利者の実質的同一性を必要とした裁判所の考えに賛成ですが、感覚的には被告(控訴人)が主張したような考えも分からなくはありません。昔、少しだけ勉強したEU法の教科書によれば、欧州司法裁判所(EUの裁判所)では「同一の起源を有する商標を付された製品が輸入される場合には、現時点で輸出国の商標権者と輸入国の商標権者が無関係であっても、輸入国の商標権者は、商標権を行使できない」という商標権の『共通起源』の理論が採用されていたことがあるそうです(参考:Hag I事件判決)。仮にこの理論を本件にあてはめれば、日米両国のコンバース商標は旧米国コンバース社という「共通起源」を有しているので、伊藤忠は第三者が米国コンバース社の製品を輸入することを阻止できないということになりそうですよね。もっとも、EUでも既にこの理論は放棄されていますし(参考:Hag Ⅱ事件判決)、全く法制度の違うEUの理屈を日本の事件に当てはめること自体そもそも無理な話ではありますが。

なお、上記でEU法に興味の湧いた方(あまりいないかもしれませんが)には、以下の本をお薦めしておきます。上述の「『共通起源』の理論」の説明も同書の該当箇所を参考にしました。非常に分かりやすい良書だと思います。

須網隆夫「ヨーロッパ経済法」新世社


(2011年8月1日追記)
この投稿へのアクセスが多いようですので新たにコンバース商標と並行輸入の問題について書きました。こちらもご覧ください。

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2010/06/07

再び、松阪牛について

以前の投稿で、三重県内の「松阪牛」の関係団体が中国政府に出願した「松阪牛」や「松阪肉」の商標登録が却下されたニュースに触れ、中国・台湾において我が国の地名や地域ブランド等が第三者によって出願登録される事態について関係者が更に緊密に協力して対処していって欲しいという趣旨のことを書きました。ところが、その松阪牛の件は全く逆の事態になっているようです。

『松阪牛』の陳情で対立 三重・松阪市長と民主県連戦略局」 2010年6月5日 中日新聞 

記事によれば、松坂市が上記の件について農林水産省などに外交的な対応を促すため民主党三重県連の地域戦略局に担当部局と面談する機会を設けるよう頼んだところ、松阪市を担当する党支部は、子ども手当などの政策を批判してきた市長に不快感を示して拒否したということです。双方に言い分はあるのでしょうから一概にどちらが悪いとはいえないのかもしれませんが、松阪牛ブランドは三重県ひいては日本の重要な財産なのですから、その内部で対立しているべき問題ではないのではないでしょうか。

中国は今のところ日本からの牛肉の輸入を禁じているようですが、それでも闇ルートで和牛が出回るほど富裕層における需要は高いと言います(「中国で横行する和牛肉密輸 当局がついに摘発強化に」2008年6月26日 China Report -中国は今- DIAMOND online/「禁輸の『神戸牛』北京で出回る、摘発を強化」 2010年6月1日 読売新聞)。将来の解禁に向けて牛肉が有望な対中輸出商品であることは間違いないでしょう。そして、その場合、牛肉の値段を考慮すれば富裕層マーケットへの対応が必要であり、一般品との差別化戦略によるブランドの確立が重要であると考えられています(参考:農水省による市場実態調査結果)。そしてブランド戦略上、商標権の確保が重要であることは論を待ちません。松阪牛の件に限らず、中国・台湾において我が国の地名や地域ブランド等を第三者による商標出願登録から守ることは、国家戦略上の問題であるとさえ思います。関係者には私怨(?)を超えて、一致協力してご努力頂きたいものです。

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2010/06/04

菅直人首相誕生に寄せて

今日は別のことを書こうと思っていたのですが、新首相選出という大きなニュースがありましたので、菅直人氏のことに触れてみたいと思います。このところの首相の在任期間の短さに鑑みれば、早めに書いておかないと機会を逸するかもしれませんし。

ご承知の方も多いと思いますが、今回、内閣総理大臣に選出された菅氏は弁理士資格を保有しています(日本弁理士会の「弁理士ナビ」によると現在も弁理士として登録中)。知的財産権の重要性を十分に理解されている方だと思いますので、知財立国のための戦略的な政策実行を是非お願いしたいところです。ちなみに、菅氏は副総理の時に知的財産戦略本部の会合に司会として出席し、次のように言っています。

「・・・ご承知のように、鳩山総理も官房長官も私も川端大臣も、一応なんて言うと怒られますが、理系出身でありまして、私は弁理士も多少させていただいて、一番やらなければいけない立場にありますが、まだ必ずしも皆さんの期待に応えるだけのことができていないことを大変恐縮に思います。ただ、しっかりと今おっしゃられたことを踏まえながら、もう少し時間をお借りしながら、今言われた、単なる調整役ではなくて、戦略性を持った形での本部というものを、また色々知恵を借りて出していただきたいと思います。・・・」(知的財産戦略本部会合平成21年12月8日議事録より)

首相という大きな権限を得られたわけですから、是非、「戦略性を持った形」で知財政策を実行し、「皆さんの期待に応えるだけのこと」をやって欲しいと願わずにはいられません。頑張って欲しいと思います。

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2010/06/03

D&Gの日本撤退に思う

偽の「ドルチェ&ガッバーナ」のジーンズをインターネットオークションに出品していた男が商標法違反容疑で岡山県警に逮捕されるというニュースがありました。

偽ブランドジーンズ販売 県警 ネット出品、容疑で男逮捕」 2010年5月29日 読売新聞 

岡山はジーンズ製造のメッカですので、消費者も警察もジーンズを見る目が確かなのかもしれませんね(笑)。

さて、そのドルチェ&ガッバーナのセカンドブランド「D&G」が、服と革製品の日本での販売を今年の秋冬物で取りやめるとのことです。

伊ブランド『D&G』日本撤退 先進国に『あふれる模倣』」 2010年6月1日 asahi.com 

気になったのはその理由です。本社の役員が「日本市場に氾濫(はんらん)するD&Gの模倣品が大きな障害になっている」と語ったとか。ここでいう「模倣」の意味が知的財産権侵害に至る程度のものを指しているのかどうかは不明ですが、日本人として少し恥ずかしい気持ちにさせられる発言ではあります。もっとも、彼らが店舗数を拡大しようとしているという中国市場での「模倣品」氾濫は日本市場の比ではないのではないかとも思ってしまいますが。

ともあれ相次ぐ外国ブランドの日本撤退(→参考記事)は日本の斜陽を感じさせるようで寂しい限りです。岡山県警も頑張っていることですし、D&Gの撤退、何とか思い直してもらえませんかねえ・・・。

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2010/06/02

世界最大のオンラインショッピング市場が誕生? (4)

Yahoo! JAPANと淘宝(タオバオ)による日中の商品を相互販売するサイトがいよいよ動き始めました。各報道機関がさかんに報道していますが、私がインターネット上で閲覧した記事の中で比較的詳しかったのは次のものでした。

ヤフーとタオバオが提携、中国商品が買える『Yahoo!チャイナモール』開設 」 INTERNET Watch

偽造品防止策や輸出入手続の処理をどうするのだろうという疑問は未だに解消されないのですが、そのあたりの評価はある程度運用が行われてから報道されるようになるでしょう。引き続き注目していきたいと思います。

ところで、上記記事の中で私が注目したのはタオバオでの売れ筋日本製品です。食品・日用品・アパレルなど、地方の中小企業が取り扱っていそうな製品も多く含まれています。以前の投稿でも書きましたが、これまで中国進出を考えてこなかった企業にとって、やはりこれは大きなチャンスのように思います。先日、経済産業省から「農商工連携で地域を活性化するポイント」という資料が発表されましたが、あと数年もするとこういった資料に「中国への輸出拡大による成功例」といった事例がたくさん載るようになるかもしれませんね。

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2010/06/01

引き続き改造ゲーム機の摘発に関して

にほんブログ村というサイトのブログランキングに参加しています。末尾に記載しているバナーをクリックして頂くと、その数に応じて順位が上がるというシステムなのですが、風邪を引いたりしてしばらく更新をしないでいたら、どんどん順位が下がってしまいました。もともと順位を競うために参加しているわけではなく、単純に閲覧者を増やしたいだけなのですが、やはりある程度上位にいたいというのが本音です。というわけで、なるべくご協力をお願いします(笑)。一日一回有効らしいです。クリックして頂くとリンク先には色々な弁護士のブログが載っていますので、それなりに面白いと思いますよ。

ところで、前回及び前々回の投稿で、改造ゲーム機の摘発に際して商標法違反の構成は使いづらいという事を書きました。ですが、愛知県警は果敢に商標法違反で摘発を行っているようです。

改造Wii販売容疑で逮捕 海賊版ソフトのロック解除」 2010年6月1日 asahi.com

調べてみると過去にも北海道警が商標法違反で改造ゲーム機を摘発している事案がありました。

改造PSP売りさばき逮捕 ゲーム機の商標権直接侵害では初」 2008年2月20 日 産経ニュース

多少の困難があっても摘発すべきは摘発するということみたいですね。捜査機関の皆様には是非頑張って頂きたいと思います。もっとも、商標を削除の上で販売されてしまえば、熱意ある捜査機関でも商標法違反での立件は無理でしょう。やはり著作権法か不正競争防止法の改正によって立法的な解決を図るべき問題のように思います。  

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2010/05/25

Wiiに続いてPSPも

前回の投稿で、海賊版ソフトが動くよう改造したWii本体と海賊版ソフトをセットで販売して逮捕された男のニュースをご紹介しましたが、PSPでも同様の事件があったようです。

改造PSP本体に海賊版ソフトを“おまけ”、オークションで販売の男性逮捕」 2010/5/24 INTERNET Watch

やはり改造ゲーム機の販売行為自体に刑事罰を課せられるように法改正を急ぐべきように思います。政府もその方向で検討してはいるようですが、実際に法改正が実現するのはいつになることか・・・。なるべく早い対応をお願いしたいところです。

参考:政府知的財産戦略本部・コンテンツ強化専門調査会「インターネット上の著作権侵害コンテンツ対策について-中間取りまとめ-」(注:PDFファイルに直接リンクしています。)

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2010/05/24

「おまけ」を付けたばっかりに・・・

海賊版ソフトの販売が摘発されたとのニュースは珍しくありませんが、最近、ちょっと興味深かったのがこのニュースです。

海賊版ソフトが動くよう改造したWii本体、“おまけ”付きで販売して逮捕」2010/5/21 INTERNET Watch

インターネットオークションで海賊版Wiiソフトを販売していたというありがちな事件なのですが、実は海賊版ソフトを稼働できるよう改造したWii本体がメインの商品で、海賊版ゲームソフトはその「おまけ」だったというのが面白いところ。おまけである海賊版ソフトについて著作権法違反が適用されたのに、改造Wii本体の販売については違法とされていないのです。

上記記事にもあるように、改造したWii本体の販売について摘発する構成としては、商標法違反の適用が考えられます。ごく簡単に言うと、改造して全く別の商品になってしまっているのに、元の商標を残したままで販売することは、商標の出所表示機能(=商品の出所が商標権者であることを示す機能)や品質保証機能(=商標権者が品質を保証している商品であることを示す機能)を害するから、商標権を侵害するという考え方です。実際、民事事件であれば、改造した真正品の販売が商標権侵害と認定された裁判例は多数あります(例えば、まさに改造ゲーム機の販売について東京地裁平成4年5月27日判決(裁判所HP・PDFファイル))。

とはいえ、刑事事件を念頭に置いた場合、この商標法違反の構成はなかなか使いづらいものがあります。どの程度の改造であれば元の商品との同一性が失われて商標の機能を害することになるのか、改造した商品であることを前提に取引している場合には商標の機能を害することはないのではないか等々、実質的な考量を経ないと商標権侵害が確定できないのでは、捜査機関としても立件がしづらいわけです。また、商標を全て削除した上で販売されてしまえば、そもそも商標権侵害の余地はなく、商標法違反による立件はできません。

海賊版ソフトを稼働できるように改造したゲーム機を販売することは、著作権法違反を助長する行為であることは間違いなく、取り締まるべき必要性はあるものと思います。やはりこのような行為をストレートに摘発できるような法改正を急ぐべきなのではないかと思いますが、皆さんはどう思われますか。

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2010/05/21

仏具もブランドで選ぶ時代?

地域団体商標の制度ができて以降、地場産業をブランドとして売り込もうという動きが活発化していますが、仏具の世界も例外ではないようです。全国の金物仏具売り上げの九割を占める高岡市の高岡仏具卸業協同組合が、「高岡仏具」の四文字をあしらったロゴマークを使って、次第にシェアを拡大しつつある外国産仏具と差別化を図ろうとしているという記事を見つけました。

高岡仏具 ロゴで発信 業界初 外国産と差別化」 2010年5月20日 中日新聞

ところで上記記事の中で一つだけ気になったのが仏具に貼られるというシールです。記事中の写真を見る限り非常にシンプルなシールに見えますが、偽造防止措置(参考:偽造防止技術を提供する会社の例)は施されているのでしょうか。偽造されて国外産のニセモノに貼られるのではないかと少し心配です。

「仏具の偽造品を作る罰当たりなんているのか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、利益が上がるのならば、どんな商品にだってニセモノは出てくるものです。実際、私の経験でも、有名神社の名前を勝手に使った「お守り」を販売していた業者に警告書を送って止めさせたことがあります。

まあそんな心配はともかく、日本経済活性化のためにも地方の産業には頑張ってもらわないといけません。高岡仏具卸業協同組合の意欲的な試みが効を奏して欲しいものです。
 
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