2010/03/21

模倣被害調査報告書

ブログを開設しておきながら投稿をすっかり怠っていました。今後もこんな感じのペースになるかもしれませんが、懲りずにおつき合い下さい。
さて、実質的に最初の投稿ですので、私がこのブログの本体である「偽造品対策情報室」を立ち上げた理由に関わるお話をしたいと思います。

特許庁は毎年「模倣被害調査報告書」という報告書を公表しています(特許庁ホームページの「模倣品被害の実態」というページで入手可能)。その2008年度版によりますと、2001年度から2005年度において日本で特許登録出願、実用新案登録出願、意匠登録出願、商標登録出願を行った国内の企業・団体のうち合計出願件数の多い企業・団体上位8000 社に対してアンケート調査を行ったところ、「模倣被害」(注:同報告書の定義では「特許、実用新案、意匠、商標、著作権などの知的財産権を侵害した製品・サービスが、製造・販売等されることで利益を損なう可能性がある被害・・・に加え権利化していない貴社製品・サービスの模倣被害を含む」としています。)に対する対策を行っている企業は回答してきた企業の36.4%にとどまったそうです。つまり何の対策も行っていない企業が63.6%にも達するのです。さすがに「模倣被害あり」と回答した企業においては71.8%が対策を実施しているようですが、裏を返せば「模倣被害あり」と認識しながら何ら対策をとらない企業が28.2%にのぼるわけです。ちょっと驚くべき数字ではないですか?私のように偽造品・模倣品対策を生業とする者にとってはもちろん由々しき事態ですが(笑)、知財立国を標榜する我が国全体にとっても好ましくない状態ではないでしょうか。

対策を行わない具体的理由は各企業によって様々でしょうが、対策を行わないことのリスクを認識していない、対策のやり方やコストについての知識がない等、広い意味での情報不足が原因なのではないかと推測します。そのような推測のもと、偽造品・模倣品対策に従事する専門家の方から積極的に情報発信していくことも重要なのではないかと考えたことが「偽造品対策情報室」立ち上げの動機の一つとなりました。私のサイトやブログが少しでも対策を始めようとする企業の参考になればと思っています。
なお、2009年度版の「模倣被害調査報告書」は来月にも公表されるはずです。ご注目を。公表されましたら、また感想をご報告したいと思います。

特許庁「2008年度模倣被害調査報告書」より引用