2010/04/28

偽造品の輸入販売で一儲けしたい方へ

今に始まったことではないのですが、いかにも素人っぽい偽造品販売業者を相手にすることがあります。インターネットオークション等、一般人が手軽に商品を販売できる環境が整ってきたことに加えて、長引く不景気のもと、アルバイト感覚で安易に商売を始める人が多いのかもしれません。

以前の投稿のコメント欄でも少し書きましたが、偽造品の販売には、私がちょっと考えただけでも、以下のように相当のリスクがあります。安易な気持ちで手を出すと大ケガをすることになるでしょう。


1.刑事罰を課されるリスク

各種知的財産法には罰則が用意されていますし、本物だと騙して偽造品を売れば詐欺罪も成立します。

2.民事責任を負うリスク

知的財産権保有者からの損害賠償請求や、買主からの代金返還・損害賠償請求等が考えられる他、商品の欠陥で被害を受けた人からの損害賠償請求も考えられます(偽造品は欠陥品の混入率も高いこと、更に輸入者には製造物責任法の適用があることにも注意すべきです。)。

3.売れ残りリスク

大々的に売りさばける性質のものではありません。売れ残ってしまうリスクは小さくないと考えるべきです。

4.没収・廃棄のリスク

売れ残るくらいならまだマシかもしれません。輸入の段階で税関に見つかって全て廃棄させられる可能性もあるのです。

5.他の仕事やビジネスへ悪影響が及ぶリスク

偽造品を扱っていることが知られれば信用低下を招き、他のビジネスを失うことになりかねません。会社員の場合、会社に懲戒される恐れもあるでしょう。


いかがでしょうか。決して割のいいビジネスではありませんよね。もしかしたら、ゴールデンウィークに海外へ偽造品を仕入れに行こうと計画している「新規参入者」がいらっしゃるかもしれませんが、上記を読んで是非ご改心を。

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2010/04/26

Twitterを始めてみました

最近、Web上の記事でTwitterで引用するためのボタンをつけているものが多くなりました。ワンクリックで見出しやURLが引用可能なので便利です。以前、Twitterのアカウントだけとって使っていなかったのですが、せっかくなので偽造品関連の記事を収集・保存するために利用してみることにしました。興味のある方は下記のアイコンをクリックしてみて下さい。
antifakeinfoをフォローしましょう
また、最新のツイートを本ブログの本体である「偽造品対策情報室」のトップページに表示されるようにしています。そちらでご覧頂くことも可能です。

Twitterを例に挙げるまでもなく、インターネット上では新たなサービスが次々と生まれて進化していっています。それにつれてネット上での法律問題も様々なものが発生するでしょう(ちなみに、いまや偽ブランド品の販売ルートのトップはネットオークションと言われています→「偽ブランド販売の4割はネットオークション」・2010年3月29日・キャリワカ)。弁護士も新たな法律問題に対応していけるよう努力しなければなりませんね。

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2010/04/20

上海万博PRソングの盗作騒動について

上海万博PRソングの盗作騒動の件、偽造品・模倣品問題と直接の関係は無いのですが、個人的に気になったニュースなので、知的財産権つながりということで取り上げてみたいと思います。

上海万博のPRソングが岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」の盗作ではないかというこの疑惑については、問題発覚後、万博事務局側から岡本さん側に楽曲の使用申請があり、岡本さん側がこれを承諾したと報道されています。何やらこれで解決に向かいそうなムードですが、本当にそうなのでしょうか。

世界規模のイベントのPRソングですから、大変な額のお金が絡みますし、関係者も多数にわたります。よって、岡本さん側が楽曲の使用を許諾するにしても、条件交渉には一定の期間が必要と思われます。問題発覚後、岡本さん側が承諾を発表するまでの短い期間で、条件面の重要な点が全て妥結したかは疑問です(→経緯について比較的詳しい報道として「岡本真夜の楽曲、上海万博盗作認めた」・2010/04/20 08:25・nikkansports.com)。現に最も重要な使用料についても「これから双方で協議」と報道されています(→「岡本真夜、“疑惑”の上海万博ソング使用OK」・2010/04/19 20:37・SANSPO.COM)。他にも結構大事な問題が積み残されているのではないかと他人事ながら少し心配です。もちろん条件が折り合わない場合には契約を締結しないという選択もあるわけですが、使用を承諾する旨を明言してしまった以上、岡本さん側から席を蹴るのはなかなか難しそうな気がします。どうか双方納得のいく解決に至ってほしいものです。

もっとも、こんな心配は全く余計なお世話に過ぎず、岡本さん側は既にかなり有利な条件を約束されているのかもしれませんし、そうでなくても大市場中国で好感度をアップさせたことでモトは取れているのかもしれませんが(→「中国で岡本真夜さんの好感度上昇 疑惑の作曲者に非難集中」・2010/04/20 17:46・共同通信)。

偽造品・模倣品の多くも、中国から流入しています。この問題に限らず、中国にはもっと知的財産権に関する意識を高めてもらいたいものです。「そのままの君でいて」もらっては困りますよね。

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2010/04/19

偽造防止技術あれこれ

本ブログの本体サイトである偽造品対策情報室で、「偽造品・模倣品を作らせないための予防策として、商品に偽造防止措置を施すことも有用である」といったようなことを書いているのですが(→該当ページ)、よく考えてみると、私自身、どんな偽造防止措置・技術があるのか詳しくは知らないことに気づき、ネットで専門業者のサイトを色々と探して読んでみました。各社とも様々な技術を持っているようで非常に参考になりました。せっかくですので、偽造品対策情報室の方に1ページ設けて、見つけたサイトをリストアップしておきます(→こちら)。興味のある方はご訪問下さい。

なお、そのページにも書きましたが、リストアップしたサイトは単に私がネットで見つけて参考になったというだけで、それらの業者を推奨する趣旨ではありません。その点、ご了解下さい。

また、リストアップしたサイトは網羅的なものでもありません。「リストアップされているサイトよりも、ウチのサイトの方が参考になる」とか、「ウチの技術はもっと凄いぞ」という業者様は、是非、その旨をコメント欄に書き込んで下さい。参考にさせて頂きます。

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2010/04/16

偽ブランド見抜く女性鑑定士

YouTubeで「偽ブランド見抜く女性鑑定士(10/3/31放送)」というタイトルの動画を見つけました。テレビ朝日が放送したもののようです。



この手の番組を見るといつも思うのは、こういう「鑑定士」の方々はどの程度の精度で真正品と偽造品を区別できるのだろうかということです。というのは、真正品と偽造品を区別するための情報(以下、便宜上「識別情報」ということにします。)は、通常、各ブランドにおいて重要な機密事項として扱われており、部外者がその全体像を知ることはかなり難しいはずだからです。

もちろん、「鑑定士」の方々は、独自の方法によって識別情報を収集し、鑑定の精度を高めるべく努力されているものと想像します。しかしながら、偽造品業者もなるべく真正品に似たものを作ろうとしており、新たなパターンの偽造品が次々と発生します。また、ブランド側も様々な事情から商品の仕様変更を行う場合があります。したがって、鑑定士の方々が得た識別情報も、仮に取得時点では正確だったとしても鑑定の時点では使えないという場合が出てきかねません。例えば、上記の動画の中にファスナーの形状の違いで偽造品か否かを判断するという事例が出てきました。しかし、このファスナーの部分を修正した偽造品が発生しても、なお識別は可能なのでしょうか。また逆に、ブランド側がファスナーの部分の仕様を変更して別の形状にしてしまった場合はどうでしょうか。具体的に考えてみると「鑑定」作業が簡単なものでないことがお分かり頂けると思います。

もっとも、上記の動画に出てきた業者においては、ファスナーの形状だけに頼ってそのバッグの真贋を判定しているわけではないでしょう。その他に数々のポイントをチェックして、それらを全てクリアした商品だけを真正品と判断しているのだろうと思います。そして、そのような態度で真贋を判断する限り、偽造品を掴まされる可能性はだいぶ減らすことができるだろうとは思います。

ただ、一般消費者に理解して頂きたいのは、上記のとおり、正確な識別情報をタイムリーに得ることが難しい以上、例え良心的な「鑑定士」にとっても真贋判定は簡単な作業ではなく、その鑑定結果が絶対とまでは言い切れないことです。正規ルート(ブランド直営店や正規代理店等)以外でブランド品を購入する以上、偽造品を掴まされるリスクを完全に払拭するのは困難ではないかと思います。もちろん購入先の選択次第でリスクを相当減らすことはできると思いますが・・・。

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2010/04/12

大阪弁護士会がTBSにカバチ

TBSが放映したドラマ「特上カバチ!!」(行政書士の補助者として働く主人公が法律がらみの問題を解決していくドラマ)について、大阪弁護士会がTBSに抗議していたそうです。2010年4月9日付のYOMIURI ONLINEの記事によると、大阪弁護士会は当該ドラマについて「(行政書士の)業務内容を明らかに超えた法律相談を頻繁に行っている」「法律で認められていない示談交渉を行っている」などと指摘しており、一方、TBSの広報部は「行政書士と弁護士の仕事の区分について説明しており、誤解を招く内容ではないと考えている」としているそうです(詳しくはこちら)。

このドラマの本編を見ていませんし、行政書士の業務範囲がどこまでかについてはセンシティブな問題なので、双方の言い分の妥当性について論じるつもりはありません(もっとも、このドラマの宣伝等を見た限り、主人公は行政書士資格を有していないようなので、そもそも行政書士の業務範囲を論ずるまでもなくストレートに弁護士法違反の問題が生じるのではという気はしています)。しかし、よい機会なので、法的紛争に関わる交渉(もちろん偽造品・模倣品業者との交渉を含みます(笑))を弁護士に依頼するメリットについて、弁護士の立場から少し宣伝しておきたいと思います。

まず、前提として、訴訟代理業務を行えるのは原則として弁護士だけです(但し、一定の条件のもとで弁理士・司法書士等も訴訟代理業務を行うことができます)。弁護士は法律問題一般についての専門家ですが、特に訴訟のプロであると言ってよいでしょう。よって、交渉を(まともな)弁護士に依頼すれば、目の前の交渉だけではなく、交渉が決裂して訴訟になった場合のことも見据えた対処をしてくれるはずです。また、実際に交渉決裂に至った場合もスムースに訴訟手続に移行する(=そのまま交渉を担当した弁護士が訴訟手続を代理する)ことができるでしょう。更に、弁護士が交渉を担当することで、相手方に対して「交渉で解決できない場合は訴訟も辞さない。」という強い姿勢を見せることにもなりますので、これによって交渉が促進される場合も多いと思われます。

日本には法律関連の資格が弁護士以外にも色々と存在します。法的問題の解決のために専門家の助力を得ようとする場合、事案の性質や掛けられるコストによって様々な選択肢があり得ますので、後で「カバチ」(=広島弁で「文句」のことだそうです)を言うことにならないよう、よく調べて検討してみることが重要ですね。

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2010/04/07

「スカイツリー」着々と準備が進んでいるようです

先日、建設途中のスカイツリーを見て来ました。間近に見ると圧倒されそうな大きさでした。既に東京タワーの高さは超えたとのことですが、開業には2012年の春までかかるそうです。



さて、開業すれば必ず登場するのが便乗商法です。放っておくと事業者とは関係のない第三者が無秩序に便乗グッズの販売等を始めて、スカイツリーのブランド力が損なわれる危険があります。そこで事業者は事業開始に先立ちスカイツリーに関わる知的財産権の取得を始めているようです。

試しに特許電子図書館の「商標出願・登録情報」のサイトで「スカイツリー」という商標の登録状況をチェックしてみましょう。同サイトを開いたら、検索項目欄を「商標(検索用)」に合わせて、検索キーワード欄に「スカイツリー」と入力し、「検索実行」ボタンをクリックします(下図参照)。


すると「検索結果3件」と表示されます(下図参照)。「一覧表示」ボタンをクリックして検索結果を見てみましょう。


すると「スカイツリー」商標が3件登録されていることが分かります(下図参照)。登録番号をクリックすると各権利の内容を見ることができます。


各商標の権利者欄を見ると、いずれの商標についてもスカイツリーの建築主である東武鉄道株式会社と東武タワースカイツリー株式会社が保有していることが分かります(下図参照)。指定商品(=商標の使用を予定している商品)も多岐にわたっており面白いので、是非ご自分で検索してみて下さい。「え、こんな物も?」というような商品まで指定商品になっています。


ともすれば巨大な建築物にばかり目を奪われてしまいがちですが、タワーが出来上がっていくとともに見えないところでも開業に向けた準備が着々と進められているのですね。

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2010/04/02

2009年度模倣被害調査報告書について

特許庁「模倣被害調査報告書」の2009年度版が3月29日に公表されました(こちらで入手可)。まだ詳細には検討していませんが、取り急ぎの感想を述べたいと思います。

以前の投稿で2008年度版の内容をご紹介し、対策実施率の低さを指摘しましたが、今回はだいぶ改善され、50.7%が何らかの対策を行っているようです(前回は36.4%)。


被害を受けた企業における対策実施率も71.8%から80.9%に改善しました。対策に関わる者としては喜ばしい傾向です。


しかし、ちょっと気になったのが対策費用の額です。昨年度もそうでしたが、対策費用を支出している企業でも100万円に満たない企業がかなりの割合にのぼります。もちろん、100万円という額を軽視しているわけではありませんが、売上高500億円以上の企業の回答中、支出ゼロが17.2%、支出100万円未満が24.6%というのはちょっと企業規模に見合わないのではないでしょうか。


偽造品・模倣品対策はその効果が目に見えにくく予算が取りにくいという傾向はありますし、当該企業では本当に偽造品・模倣品が問題になっていないのかもしれませんが、事が生じた場合の害悪の大きさに鑑みれば企業規模に応じた支出を厭うべきではないと思います。

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※なお、グラフはいずれも2009年度模倣被害調査報告書から引用しました。

2010/04/01

そのうち日本でも・・・

前回の投稿を数時間前に行ったばかりなのですが、面白い記事を見つけたので忘れないうちに書いておきます。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/03/31/008/index.html

この記事で取り上げているのは海賊版コンテンツに関する情報を収集する仕事のようですが、同様の手法で、ネット販売されている偽造品・模倣品に関する情報収集もできるでしょう。需要はありそうです。そのうち日本でもこんな募集が見られるかもしれませんね。

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