2010/05/12

世界最大のオンラインショッピング市場が誕生? (3)

Yahoo Japanとタオバオの提携の件、三回目になってしまいますが、また取り上げてみたいと思います。Yahoo Japanの孫氏は記者会見で「歴史的な日」と述べたようですが、大げさとは思えません。何度も取り上げる価値のあるニュースではないでしょうか。

前回前々回の投稿では、この件について「知的財産権侵害物品への配慮は大丈夫か」というネガティブな面からの感想について述べましたが、もっとポジティブな面にも目を向けるべきだという気がしてきました。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/05/11/036/index.html


相互提携ですから当然ですが、上記記事にもあるとおり日本の事業者にしてみればYahoo!ショッピングに出店することで、容易に中国のオンラインショッピング市場に向けた販売機会を得られるわけです。「日本製」という一種のブランドは、中国でのオンラインショッピングにおいて、特に富裕層に対して訴求力があるとの調査結果もあるようです(「中国EC:『“日本製”に購入意欲』高収入層で顕著に」 2009/12/10 サーチナ)。また、中国というとニセモノの氾濫といった話題が取り上げられがちですが、豊かになるにつれて「本物志向」は確実に高まっているといいます。中国の消費者にしてみれば日本のメーカーから本物を直接購入できるようになる今回の提携は大歓迎なのではないでしょうか。資金・人材・経験その他の都合で中国市場への進出に二の足を踏んでいた日本の企業(特に中小企業)にとっては大きなチャンスかもしれません。

仮に日本企業から中国消費者への販売が増えてきた場合、日本製の偽造品が輸出される例も増えてくるのではないかと思っています(他社商品の中国市場での人気に目を付けた日本企業が「日本製」を前面に出して偽造品を輸出するといったことを想定しています)。これまで知的財産侵害物品の「輸出」については、あまり目が向けられてきませんでした。実際、税関における輸出入差止申立制度も輸入については膨大な件数が申し立てられているのに対し、輸出については本年5月1日時点で2件のみです(日本関税協会 知的財産情報センターのHP参照)。しかし、今後は「輸出」差止申立も重要性を増していくかもしれませんね。

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