2010/05/24

「おまけ」を付けたばっかりに・・・

海賊版ソフトの販売が摘発されたとのニュースは珍しくありませんが、最近、ちょっと興味深かったのがこのニュースです。

海賊版ソフトが動くよう改造したWii本体、“おまけ”付きで販売して逮捕」2010/5/21 INTERNET Watch

インターネットオークションで海賊版Wiiソフトを販売していたというありがちな事件なのですが、実は海賊版ソフトを稼働できるよう改造したWii本体がメインの商品で、海賊版ゲームソフトはその「おまけ」だったというのが面白いところ。おまけである海賊版ソフトについて著作権法違反が適用されたのに、改造Wii本体の販売については違法とされていないのです。

上記記事にもあるように、改造したWii本体の販売について摘発する構成としては、商標法違反の適用が考えられます。ごく簡単に言うと、改造して全く別の商品になってしまっているのに、元の商標を残したままで販売することは、商標の出所表示機能(=商品の出所が商標権者であることを示す機能)や品質保証機能(=商標権者が品質を保証している商品であることを示す機能)を害するから、商標権を侵害するという考え方です。実際、民事事件であれば、改造した真正品の販売が商標権侵害と認定された裁判例は多数あります(例えば、まさに改造ゲーム機の販売について東京地裁平成4年5月27日判決(裁判所HP・PDFファイル))。

とはいえ、刑事事件を念頭に置いた場合、この商標法違反の構成はなかなか使いづらいものがあります。どの程度の改造であれば元の商品との同一性が失われて商標の機能を害することになるのか、改造した商品であることを前提に取引している場合には商標の機能を害することはないのではないか等々、実質的な考量を経ないと商標権侵害が確定できないのでは、捜査機関としても立件がしづらいわけです。また、商標を全て削除した上で販売されてしまえば、そもそも商標権侵害の余地はなく、商標法違反による立件はできません。

海賊版ソフトを稼働できるように改造したゲーム機を販売することは、著作権法違反を助長する行為であることは間違いなく、取り締まるべき必要性はあるものと思います。やはりこのような行為をストレートに摘発できるような法改正を急ぐべきなのではないかと思いますが、皆さんはどう思われますか。

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
↑ よろしければクリックをお願いします