2010/06/07

再び、松阪牛について

以前の投稿で、三重県内の「松阪牛」の関係団体が中国政府に出願した「松阪牛」や「松阪肉」の商標登録が却下されたニュースに触れ、中国・台湾において我が国の地名や地域ブランド等が第三者によって出願登録される事態について関係者が更に緊密に協力して対処していって欲しいという趣旨のことを書きました。ところが、その松阪牛の件は全く逆の事態になっているようです。

『松阪牛』の陳情で対立 三重・松阪市長と民主県連戦略局」 2010年6月5日 中日新聞 

記事によれば、松坂市が上記の件について農林水産省などに外交的な対応を促すため民主党三重県連の地域戦略局に担当部局と面談する機会を設けるよう頼んだところ、松阪市を担当する党支部は、子ども手当などの政策を批判してきた市長に不快感を示して拒否したということです。双方に言い分はあるのでしょうから一概にどちらが悪いとはいえないのかもしれませんが、松阪牛ブランドは三重県ひいては日本の重要な財産なのですから、その内部で対立しているべき問題ではないのではないでしょうか。

中国は今のところ日本からの牛肉の輸入を禁じているようですが、それでも闇ルートで和牛が出回るほど富裕層における需要は高いと言います(「中国で横行する和牛肉密輸 当局がついに摘発強化に」2008年6月26日 China Report -中国は今- DIAMOND online/「禁輸の『神戸牛』北京で出回る、摘発を強化」 2010年6月1日 読売新聞)。将来の解禁に向けて牛肉が有望な対中輸出商品であることは間違いないでしょう。そして、その場合、牛肉の値段を考慮すれば富裕層マーケットへの対応が必要であり、一般品との差別化戦略によるブランドの確立が重要であると考えられています(参考:農水省による市場実態調査結果)。そしてブランド戦略上、商標権の確保が重要であることは論を待ちません。松阪牛の件に限らず、中国・台湾において我が国の地名や地域ブランド等を第三者による商標出願登録から守ることは、国家戦略上の問題であるとさえ思います。関係者には私怨(?)を超えて、一致協力してご努力頂きたいものです。

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