2010/06/18

イグサを知っていますか

イグサという植物をご存知でしょうか。畳表やゴザがこの植物の茎で作られているといえばお分かりになるかと思います。日本では主に熊本県で生産されているそうです。そんなイグサに関連して次のようなニュースがありました。

違法輸入阻止要請へ」 2010年06月16日 asahi.com

熊本県が開発・品種登録して「育成者権」を有している「ひのみどり」という品種のイグサが中国で大量に栽培され、日本へ違法に輸入されているため、国内生産者らが熊本県など関係機関に水際の取り締まり強化を要請する予定であるというニュースです。

「育成者権」というとこれまた一般にはなじみの薄い言葉ですが、種苗法という法律により植物新品種の登録者に認められる一種の知的財産権です。この権利を保有している者の許可無くして当該植物の生産・譲渡等をすることはできません(詳しく知りたい方はこちらから農水省作成のパンフレットをダウンロード可能です)。

税関における輸入差止申立が行われている商品は数々ありますが(参考:輸入差止申立の現況)、今のところ育成者権を根拠に申立が行われているのは上記「ひのみどり」だけです。最終的にはDNA鑑定で侵害品か否かを確定できますが、大量に輸入される商品の中からDNA鑑定に回す貨物(=あやしい貨物)を見つけ出すのは、結局、税関職員の知識と経験が頼りですので、担当職員の方々のご苦労は大変なもののようです(参考:税関職員の体験談(PDF))。

今後、日中間の貿易は植物に関しても拡大していくでしょうから、育成者権に基づく輸入差止申立を行うべき場面も多くなっていくのではないかと思います。「ひのみどり」は今後の育成者権に基づく輸入差止申立の有用性を測る試金石ともいえると思いますので、関係機関の皆様には是非頑張って頂きたいものです。
 
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