2010/06/21

美女とビールとワールドカップ

日本代表の善戦でW杯が盛り上がってきましたね。私も日本対オランダ戦の中継の時はテレビの前に釘付けでした。

ところで、オランダ戦の中継中に自民党のCMが入ったのに気づかれましたでしょうか。谷垣総裁が登場し、「今のあなたと同じように、私も日本のことを熱く思っています。」と視聴者に語りかけていました(→こちらでご覧になれます)。もちろんW杯に便乗しようとするものですが、セリフも気が利いていて個人的には好感が持てました。

しかし、便乗も度が過ぎると色々と問題を生じます。南アフリカのW杯試合会場では、国際サッカー連盟(FIFA)の公式スポンサーではないオランダのビール会社の宣伝パフォーマンスを観客席で行った疑いで、オランダ人女性2人が一時、南ア当局に拘束される事件が起きました。

オランダ、FIFAに激怒=ビール宣伝めぐり女性拘束」 2010/06/17 時事ドットコム

無制限にこのような便乗行為を許していては大金を払って公式スポンサーになる企業がいなくなってしまいますので、FIFAが神経質になるのも無理はないでしょう。身柄拘束まで必要であったのかは議論のあるところでしょうが、現地の法規に違反していることは間違いなさそうですし、ビール会社側のやり過ぎではないでしょうか。ちなみに、日本で同様の行為が行われた場合でも、(実際に警察がそこまでやるかは別にして)理論上は建造物侵入罪を適用できそうな事案のように思います。

このように公式スポンサーにならないで行う便乗行為をアンブッシュマーケティングと呼ぶそうで、オリンピックやワールドカップなどの大規模イベントにおいては、今や普通に見られる手法となっています。もっとも、多くの企業は、上記ビール会社のように違法又は違法ギリギリで行うのではなく、もっとスマートな形を取っているようです(参考:「今や恒例、オリンピックのゲリラ広告(上)」 2008年6月5日 日経ビジネスオンライン/「今や恒例、オリンピックのゲリラ広告(下)」 2008年6月26日 同)。

便乗広告もイベントの盛り上げに一役買っている気がしますので、あまりガチガチに法的規制を行うのはいかがなものかと思いますが、一方で大規模イベントの財政的な成功を図る見地からは度の過ぎた行為を効果的に取り締まる法規も必要な気がします。今後、オリンピックやワールドカップを招致したい国は、開催が決定した場合の公約としてアンブッシュ・マーケティング規制法の制定を掲げてみるのもよいかもしれませんね。

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