2010/06/25

デンマーク戦の前にオランダの件を片づけておく

さあ、W杯はいよいよ日本対デンマーク戦ですね。今日は日本全体が寝不足の人だらけになるでしょう。

さて、W杯と言えば前回の投稿でとりあげたオランダのビール会社によるW杯会場でのアンブッシュ・マーケティングの件(=W杯の公式スポンサーではないオランダのビール会社がW杯会場で宣伝活動を行ったとして関係者が逮捕・起訴された)ですが、FIFAとビール会社の間で和解が成立したようです。

FIFAと蘭ビール会社、W杯ミニスカート観戦問題で和解」 2010年06月23日 AFPBB News 

当事者間の和解を受けて南アの検察当局が起訴を取下げたため、起訴された女性2名も無事帰国可能になったようです。穏当な解決ではないかと思います。

ところでこの事件に関しては、上記女性らが「商標法」違反で逮捕・起訴されたとしている報道も多かったのですが、これに違和感を感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。女性らはお揃いの派手なオレンジ色のコスチューム(ビール会社のロゴがごく小さく表示されてはいたようですが)を着て大挙W杯の試合会場に乗り込みはしたものの、別にFIFAが保有している商標を勝手に使ったわけではありません。少なくとも日本の商標法の感覚では、FIFAの保有する商標を使っていない以上、FIFAに対する「商標権」侵害にはなりませんし、よって「商標法」違反による逮捕・起訴も考えにくいのです。そこでインターネットで検索してみたところ、Gardianの記事に次のような記述がありました。

「Placed on South Africa's statute book in 2006 was something called the 2010 Fifa World Cup South Africa Special Measures Act. The women in orange are accused of contravening two sections of this law, namely the parts that prohibit "unauthorised commercial activities inside an exclusion zone" and "enter[ing] into a designated area while in unauthorised possession of a commercial object".」(2006年、FIFAワールドカップ南アフリカ大会特別措置法と呼ばれる法律が南アフリカの法規集に加わった。オレンジ色の女性達はこの法律の二つのセクションに違反した責任を問われたのだ。すなわち、『禁止区域内における無許可の商業活動』と『広告物を許可無く占有した状態での指定地域への立ち入り』を禁じている部分である。)
World Cup 2010: Fans, robbers and a marketing stunt face justice, Fifa style」 2010年6月20日 guardian.co.uk 

というわけで、一般的な商標法ではなくて、W杯のために作られた特別法を根拠に逮捕・起訴されたようです。今やFIFAは一国の法律を変えさせる力もあるということでしょうか。前回の投稿で書いたように、世界的イベントを招致しようと思ったら主催団体に対してこのぐらい協力的姿勢を見せなければならないのかもしれませんね。賛否の分かれるところでしょうが、皆さんはどう思われますか。

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