2010/08/03

ふえる"偽装"わかめちゃん

 先月、「ふえるわかめちゃん」で有名な理研ビタミンは、国内産わかめ(鳴門わかめ)として製造している商品が中国産だった可能性が高いとして、該当商品の自主回収措置をとると発表しました。

『ふえるわかめ』:950万パック回収 中国産の可能性で」 2010年7月23日 毎日新聞
 
 理研ビタミンとしても故意に中国産を使用したわけではないでしょうが、仕入のチェック体制が甘くなかったか十分な検証が必要となるでしょう。この点は製造業に限らず多くの企業において他山の石とすべき問題と思います。
 私は偽ブランド商品(主に商標権侵害品)を販売した小売店に警告書を送ることがよくありますが、故意にニセモノを販売したのでないとしても、仕入の段階で商品の信頼性について十分な確認を行っていない店が非常に目立ちます。多くの店では「真正品である」という仕入先の説明をうのみにし、商品の来歴を示す取引書類さえ確認していないのです。ブランド、産地、その他一定の規格を満たしていることを前提にして商品や原材料を仕入れている企業は、この機会にチェック体制が機能しているか確認してみてはいかがでしょうか。

 さて、この偽装わかめの事件で困ったのは理研ビタミンだけではありません。鳴門わかめに関わる方々は相次ぐ産地偽装とそれに伴うブランドの信頼性失墜に頭を痛めています。鳴門市内のワカメ加工業者などでつくる「鳴門わかめブランド対策部会」は臨時総会で「法律に違反した場合は自主廃業するという誓約書を提出させる」等、厳しい再発防止策を決めたようです。

鳴門わかめ 偽装防止向け誓約書提出へ」 2010年07月30日 asahi.com

 この事件で感じたのは、いわゆる地域ブランドには多くの関係者が存在するため、そのうちの一部の者がブランドを濫用し、他の関係者に損害(ブランドの毀損等)を与えてしまう危険も高いのだということです。今回のような産地偽装は論外ですが、例えば、一定の材料と方法で作られることを前提とした郷土料理を地域ブランドとして売り出した場合に、一部の業者が皆で決めたレシピを守らないでトラブルになるといったことも十分あり得るでしょう。地域団体商標制度の導入以来、多くの地域ブランドが地域団体商標としての登録にも成功していますが、そのようなトラブルが生じる可能性も考慮して関連規定(使用基準、違反に対する制裁等)を整備しておくべきではないかと思いました。  

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