2010/09/02

豚骨ラーメン激戦区:「元祖」が「元祖」を訴え、元祖が静観?

弁護士業界も最近は競争が激しくなってきているのですが、こんな記事を読むとまだまだ他の業界ほどではないなと思います。

「元祖長浜」の争い法廷に、豚骨ラーメン激戦区に火花 2010.09.02 zakzak

記事が今ひとつ分かりにくいのですが、私の理解では次のような事案のようです。
  1. 老舗人気店「元祖長浜屋」(以下、「訴外元祖」といいます)で20年以上勤めた元従業員が2009年12月に「元祖ラーメン長浜家」(以下、「原告元祖」といいます)を開業 
  2. 訴外元祖及び原告元祖で働いていた別の元従業員が今年4月、原告元祖の店から約100メートル離れた場所に「元祖ラーメン長浜家」(以下、「被告元祖」といいます)を開業 
  3. 被告元祖を原告元祖と誤解して客が流れたために売上げが著しく減少したとして、原告元祖が被告元祖に対して不正競争防止法違反を理由に訴え提起
記事には書いていないので私の推測ですが、原告元祖の主張する「不正競争防止法違反」とは同法1条1項2号違反と思われます。ざっくり言えば「他人の営業を表示するものとしてお客さんの間に広く認識されている表示と同一又は類似の表示を掲げて営業することにより当該他人の営業と自分の営業の間に混同を生じさせてはいけない」という規定です。

根拠条文に関するこの推測が正しいとすれば、原告元祖が勝訴するためには、まず「元祖ラーメン長浜家」という表示が自己の営業を示すものとしてお客さん達の間に広く認識されていることを立証しなければなりません。しかし、この事実の立証はなかなか難しいのではないかと他人事ながら少し心配です。というのは、記事からすると、この地域における本当の意味での「元祖」なのかもしれない訴外元祖が別に存在するからです。もしかしたら、原告元祖の使っている「元祖ラーメン長浜家」の表示は原告元祖の営業を示すものとして広く認識されていないばかりか、むしろ訴外元祖の営業表示であると認識されている可能性も大いにあるのではないでしょうか。もしそうなら、原告元祖は勝訴できないばかりか、そもそも自らが他人の営業表示を使用しているのだと公の場で指摘されることになりかねません。

いずれにせよ非常に興味深い事案です。続報を待ちたいと思います。

追記:以上はzakzakの記事を読んだ限りでの単なる感想であり、当該訴訟における当事者の有利不利について論ずるつもりは全くありませんので念のためお断りしておきます。そもそも有利不利を論ずるにはzakzakの記事に記載の情報だけでは全く足りません。その意味でも事案の詳細について続報が待たれるところです。(2010年9月3日追記)

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