2016/04/14

フランク三浦はもう安心か?

スイスの高級時計「フランク・ミュラー」をご存知でしょうか。そのパロディー商品の名称「フランク三浦」を商標登録した大阪市の会社が、この商標を無効とした特許庁の判断を取り消すよう求めた訴訟の判決が知財高裁でありました。

フランク三浦が勝訴 フランク・ミュラーの主張認めず(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

上記記事によれば、裁判所は両者に混同は生じないと判断し、「フランク三浦」商標の登録を有効と認めたそうです。

「フランク三浦」側は、「正当な判決でホッとしています」とのことですが、もしかしたら安心するのはまだ早いかもしれません。上記判決は、単に登録された「フランク三浦」商標について「フランク・ミュラー」とは区別可能だと言っているだけで、個別の「フランク三浦」商品がフランク・ミュラー側の商標権やその他の権利を侵害しているかどうかについて判断しているわけではない(=そもそもそれは今回の裁判の対象ではない)からです。

例えば、「フランク三浦」商品やその広告上に、登録された「フランク三浦」商標(末尾画像参照)そのものではなく、そのバリエーション(例えば、漢字を使わず全てカタカナやアルファベットで表記されたもの等)が表示されていたら、フランク・ミュラー側の商標権を侵害する可能性もないとはいえないでしょう。上記判決も称呼(注:呼称ではない)は似ていると認めているようですし。また、商品のデザインが似ていれば、その程度にもよりますが、意匠権侵害(但し、ミュラー側が意匠権を保有している場合)や不正競争防止法違反で攻撃される可能性もあります。

というわけで、パロディ商品の販売も楽なものではありません。常にブランド・ホルダー側から攻撃されるリスクを背負うなかなかスリリングなビジネスだと思います。

(登録されている「フランク三浦」商標)



[追記:2016年4月17日]

知財高裁がウェブサイトで上記判決の内容を公開していました。新聞記事だけでは細かい点は分かりませんので、興味のある方は判決に直接あたってみることをお勧めします。

要旨:
http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/835/085835_point.pdf

全文:
http://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/835/085835_hanrei.pdf